第三十一話 鏡合わせの戦い・伍
「うーん……相手が特性模倣出来ないなら、多分綾華は一発でクリア出来る方法があるけど……」
「俺?」
「なん?」
「うん。ただ、単独戦闘じゃなくなるから厳しいかも?」
集団戦闘なら勝てる、ってこと?さっきシンさんが乱戦になると面倒になると言った直後なのに?俺達の困惑が目に見えたのであろう華蓮は、すい、と指先を空へ向ける。
「簡単にいうと、トラップを仕掛ける」
「トラップ」
「うん。トラップ」
「それって布袋に頼むってこと?」
「いいえ、俺が仕込む」
「なーん……?」
「リアルタイムで、無差別に」
「リアルタイムで、無差別に……あ!」
「……世界視か」
「はい」
アルマさんが合点がいった、と言わんばかりに頷く。かくいう俺も華蓮が何を言いたいのか理解して納得の声を上げた。
「俺は物質の置換、あるいは再構築が出来ます。なので見た目はそのままに足元を爆弾化、っていうのが出来るんですよね」
「ああ成程、入江くんは周囲の情報が取れるから……」
「はい。同じスペックでも相手は対応出来ないフィールドが出来上がる」
寧ろ俺の速度で対応しようとするとそれはそれは苦労することになるだろう。そしてこれは世界視を持つ俺にしか利用出来ないフィールドであり、作戦になる。
「まぁ問題は俺が出て良いものか、というところですが」
「いっそ最初から仕込んでるのはダメなのか?」
「入江くんの動きでバレるんじゃない?」
「そうですね。一発目はともかく、二発目は確実に」
「なーん……」
流石に華蓮の存在を知られるのは不味いか。でも、確かに強みを生かすなら世界視を最大限生かす方向性が良いんだよな……俺一人で出来る方法は何かないだろうか。
「でもフィールド細工ってのは良いかもしれないよね。使えるの入江くんだけだけど」
「記憶は模倣されないから一発で致命傷、あるいは拘束できるってんなら他の奴でも使えるんだが……」
「その辺は青藍の管轄だからなー……出来なくはないと思うけど、上手く出来るのかは知らない」
難しいな。この訓練で上手く対応出来そうになかったら青藍さんに話をしておくのはアリかもしれない。この会話の最中もひたすら打ち合いを続けていた大雅だったが、天波羽織を展開する一瞬の隙をつかれて敗北していた。
「何の話です?」
「入江くんはフィールドギミックを利用すれば勝てそうだよねっていう話ー」
「フィールドギミック?」
興味を惹かれたのであろうソウさんも大雅と一緒に首を傾げている。シンさんが簡単にさっきまでの話を説明すれば、ああ、と納得したように頷いた。
「確かにそれなら入江くんだけが有利になれるね!でも華蓮くんが出るのは……」
「そこなんだよねぇ。流石に全エリア監視する、ってのも現実的じゃないし」
「……あ、じゃあラリマーくんの力を借りるのは?」
……ラリマーさん?
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