第三十話 鏡合わせの戦い・肆
「っだー!!!勝てねぇ!」
「え、珍しいねアルマが断言するの」
「そもそも自分の弱点を突くような動きってなんだよ。普通弱点を潰すように動いてるだろ」
「それでも弱点って生まれません?」
「その弱点を俺自身が突けるようには作ってねぇ」
傍から見ると接戦だったように見えたけど、どうやらアルマさんからしてみればかなり苦戦していたらしい。大雅もアルマさんも時間いっぱいまで戦えてるだけマシだと思うんだけど。
「交代だ交代。ちょっと動きを整理する」
「あ、じゃあ再戦お願いします」
「はぁい」
大雅が立ち上がればソウさんはにこにこと了承を返す。連戦になるけどちっとも疲れていなさそうだな、寧ろ沢山戦えて楽しそう。
「うーん……やっぱりこの辺って得手不得手が顕著に出るね?」
「正確にはピーキーな戦い方をしてるやつほど対処は楽、ってことじゃないですかね」
「あは、確かにそうかも」
「ああそうか、強みと弱点が明確に出るから……」
「うん。付け加えると模倣しても強みを十全に生かすのが大変っていうのもある」
確かに、俺を模倣しても速さに慣れがないと多分戦い辛い。感覚まで模倣出来るなら話は別だけど、技能だけならかなり厳しいと言っても過言じゃないかも。アルマさんは比較的万能な戦い方をする、臨機応変に動きを変えられるから弱点が作りにくいのか。
「まぁぶっちゃけアルマの動きを模倣するとか早々出来ないからそこまで気にしなくてもいいかもしれないけどね」
「実は今回の相手、アランの動きを模倣した疑惑があってね」
「ちゃんと対応しないと不味い気がするね」
「そうなんだよね。どうやってるのか知らないけど、ほぼ完璧な模倣が繰り出されると見て良さそう」
アランさんの模倣が出来るなら俺達の模倣なんて造作もないだろう。……こういうとき、皇はどうするかな、皇は比較的万能型だから苦戦するような気もするけど、そもそも苦戦するイメージが湧かないから案外あっさりとクリアする可能性もある。
「こういう奴らって一番強い模倣をバカの一つ覚えみたいにつかうだろ。なら対アラン対策をした方が良いんじゃねえのか」
「まぁ可能性はゼロじゃないけど…………一回バレてる以上、使って来ないような気がするらしいんだよね」
「そうか?」
「ソウがいうには、ね?大体自分以外の相手なら数揃えて叩けばどうにかなるでしょ」
「そういうものですかね」
「そういうもんそういうもん。自分達との戦闘に関しては、乱戦になるとややこしいことになるからさぁ」
シンさんの言葉に納得半分、疑問半分で声を返す。まぁ確かに俺の偽者を俺を含めて討伐しようとすると非常に面倒なことになるのか。大雅は触れないと判別出来ないし、アルマさんはそもそも判別出来ないし。そう考えるとこの訓練も妥当なような、そうでもないような……。まぁ強くなるならいい、のか?
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