第二十六話 鏡合わせの戦い・序
「と、いうことで。ちょっとだけやろっか、手合わせ」
「ソウさんと???」
「うん。ちゃんとアランから許可は貰ってるよ」
にこにこと笑うソウさん。後ろに控えているシンさんもちょっと眉を下げてはいるものの何も言わないということは本当に許可は貰っているんだろう、大雅も若干の動揺を隠せないままソウさんを見ている。
「流石に時間がないから訓練するのは三人だけだけどね」
「まさか俺も訓練対象になるとは思わなかったな……」
「アルマがんばれー」
「綾華も頑張ってー」
「なんななー!」
端の方で観戦する華蓮達が声を飛ばしてくる。ソウさんと手合わせ……か、強いって言う事は知ってるけど、わざわざアランさんが許可を出したって言う事は今回の相手と手合わせするのに必要な技量を持っている、ということになるのか?
「ええとね、三人に習得してもらうのは天波羽織の使い方と、模倣してくる相手への上回り方」
「模倣して来る相手への……上回り方?」
「そう。こればっかりはどれだけ技量を上げても相手も上がるだけだからね、限られた手で、優位を取る方法を習得してもらう必要があるってわけ」
「あー……?」
何か、難しいな……?確かに同じ技量を持って、同じ戦い方をする相手を倒すとなると少々頭を捻る必要がある、ということはよく分かるんだけれども。
「正直この辺って学習タイミングがリアルタイムかどうかでも変わるんだけどね。まぁ基本的に即時適応する相手を倒せるなら大体の相手に有利を取れるから」
「因みにソウはその即時適応が出来る側の模倣習得者だよ。頑張ってね?」
「模倣にも種類ってあるんだ……」
というか即時適応出来る模倣、って普通に考えて強すぎないだろうか。仮に実力関係なく模倣出来るのだとしたらソウさんは勝てずとも負けないということになる。
「因みに、一応補足だけしておくと天波羽織は模倣出来ないアイテムだよ。まぁソウは持ってるけど」
「今回は使いませんよ」
「だ、そうだから、突くならそこじゃない?」
そういわれても。手合わせはそれぞれ一人ずつではあるが作戦会議はしておいた方が良い、とやけにシンさんに勧められたので三人で丸くなる。
「要するに天波羽織を上手く使って勝て、ってことだろ?厳しくはあるがまぁ……」
「天波羽織って防御手段としか把握していないんですが……」
「俺もそう思ってた」
「基本的にはそうだな。応用性が高いから何にでも使えはするけど、布であることが前提である以上、攻撃手段にするには少し工夫がいる」
天波羽織を攻撃手段に……か。出来るかな。
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