第十七話 目的の収束
「”悪夢と現実の融合”、ねぇ……?」
「また訳の分からない存在が出てきたな……」
想定とは違う目的が出て来てちょっと困惑。なんでわざわざ悪夢を融合させようとするんだろうね、せめていい夢であってほしいんだけど。
「ゆっきー、悪夢って何か特別な存在なの?」
「いや別に……それこそ内容によるとしか。つかあれなのか?その目的で利用しようとしてるのがミライと宇月ってのは……」
「お二人に悪夢との親和性ないし世界への干渉能力がある……?」
「て、ことになるよな?」
アランとゆっきーも困惑してるね。なんとなくミライちゃんを狙うのはリソース的な部分が大きいと思ってるけど、宇月君に関しては本当に分かんない。強いて言うなら適性とか……?
「少なくとも宇月くんって予定外の部分で生かされた、みたいな感じだったよね?」
「そうだな。『利用価値がある』と……宇月は、そう聞いたはず」
「可能性が高いのはあの眼だとは思いますが……もしかして心の傷が見える以外にも出来ることがある?」
「仮にそうだとしてもかなり限定的な用途なんだろうな。それこそ本当に悪夢関連の何か、としか」
「あるいは……傷が見えるということは、精神が弱っているか否かが分かるという事なので」
「出口が分かる?」
「はい」
悪夢を現実に引きずり出すための出口が必要だとして、そのためには悪夢を見る存在が必要不可欠で。心の傷が分かる宇月君はさぞ利用価値があるだろうな、という嫌な想像がついちゃうね。しかも宇月君が自己申告したとは思えないから、多分それを見抜ける存在がいる。
「悪夢と現実を融合させて……それでどうする気だ?多分魔力濃度が上がるから魔術の行使は容易になる……ああ、それが目的か」
「成程、筋は通っていますね」
「結局そこに行きつくのかぁ」
西の楽園教の目的って”全人類の楽園種族化”だからね。超大規模な魔術の行使が必要になるし、そんなのゆっきーですら厳しいってんだから今の魔術師が実行するのなんてほぼ不可能。最強の魔術師じゃなく世界の方を変える気なんだ、何かそっちの方が面倒な気もするんだけど……俺は魔術師じゃないから良く分かんない。
「因みにシンさん、妖怪って悪夢とかみる?」
「えー悪夢?どうだろ……それこそ人によると思ってるんだけど……なんで?」
「なんつーか……これは推測なんだけど、悪夢が融合することで妖怪に影響が出そうなんだよな、なんでか知らないけど」
「影響……?」
「そう。多分妖怪と悪夢って近しいラインになると思うから」
え、えぇ……?そんなことあるの??とっても迷惑……。
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