第十四話 識別方法・中編
「それにしても……警備隊の何人が成り代わられているのかは定かではありませんが、一応この状況が警備隊にとっても不本意である、というだけマシかもしれませんね」
「マシ……?」
「ええ。極論全ての成り代わった人物を排除すれば、正常化するということになると思うので」
まぁそういう見方も出来るのか。本当は成り代わる前の人物がどこかにいればもう少し楽だろうが、そこを望むのはかなり無謀な気がするし。
「大雅さん、その接触で判別というのは……具体的にどのように?」
「え、本当に感触で判断しているだけなんですが……」
「大雅って接触での判定詳しいんだ?」
「あまり自覚はありませんけど……そうなのかもしれませんね」
本人も自覚はないのか。別に本人の特性的に接触判定が長けている、っていうわけでもないだろうし……本当に素の特徴なんだろうな。
「あ、多分ソウさんの体調を確認することが多かったので……」
「ああ、それなら納得です」
「え、触れただけで分かるの……?」
「ソウさんは分かりやすいですからね」
そういう問題なんだろうか。とはいえアランさんも納得したということは本当にソウさんは触れただけで体調が分かるんだろう。体質……なのかな、そもそも存在からして特殊なので良く分からない。
「……そういえばこれ、白糸家で回収したんですよね?」
「ええ、そうですね」
「つまり西…………」
「何か気になりますか?」
「これは確証が取れないんですけど……西のどこかの組織に、人形使いがいて……」
「え、人形師?」
「呼んでませんよ布袋」
唐突に生えて来た布袋さんを一瞥もせずにアランさんは制止する。近くにいたんだろうか布袋さん、さっきまで影も形もなかったと思うんだけど。
「その人形師の材質が、これに限りなく近かった気がするんですよね」
「つまり……関係者である可能性が高い、と?」
「どうでしょう……実際あの人形師は逃げられている筈ですし、私が触ったのも交戦時に入手したという一部でしたし」
「人形使いって具体的にはどういう人なの?」
「その名の通り人形を操って戦闘していた、と聞いています。一見すると人間が人間を操っているようで気味が悪かったとも。幸い負傷者だけで済んだんですが……チームとしては事実上の全滅、元々制圧の為に戦闘員が多く駆り出されていたので、その後数か月は荒事が起きる度に残った戦闘員で回して……大変でしたね」
「へー……」
「人形使いかぁ……そういう悪名が広がると人形師の肩身も狭くなるから健全に生きてほしいよね」
「あるんですかそういう迫害」
「そりゃゼロじゃないよね。俺としてはいい迷惑だよ全く」
重戦闘区域ではそういう迫害とか起こらないから気にならないけど、本来は人形師って忌避される職業なんだ……確かに一般区画で見たことはないな。
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