第十一話 詳細確認・前編
「これって俗にいう外装?」
「いやこれは外装というより……趣味の悪い人の皮」
「外装も似たようなものでは?」
「違う違う。少なくともこれと一緒にするのは外装に失礼」
そのレベルなんだ。恐る恐る触れた布袋が嫌そうに手を引っ込める。持って帰って来たシンもげっそりとした表情でゆっきーに引っ付いてるからね、多分存在するだけで周囲に影響が出るんだと思う。
「アラン大丈夫?」
「何がだ?」
「いや……何か明らかに布袋とかシンがげっそりしてるから」
「周囲に影響が出るんなら真っ先にソウを心配するべきだろ」
それはそうなんだけどソウは大雅に甘やかされてるし大丈夫かなって……。普通にソウはピンピンしてたし。じゃあなんでシンと布袋だけ影響を受けてるんだろうね。俺も別にそこまで問題はないし。単純に気分の問題かな。
「外装に比べると……趣味が悪いということはクオリティも低いんですか?」
「まぁそうだね。外装と比較しても戦闘能力とかの向上は見込めないし、人としての様相は呈してるけど定められた動きしか出来ないっていうか。見ての通り服装を変えることすら出来ないんだよこれ」
「でも模倣としては完璧に近いんだよね?」
「そうなんだよねぇ……。多分、偽装にしか技術を振ってない」
「擬態するためだけの皮……ということですか」
「そうなるね」
そりゃ一般区画で戦闘能力なんてあっても無駄かもしれないけど。それにしたって擬態だけだと色々不都合ってないんだろうか。素体である白糸夫妻が一般人だからこその配慮か?
「因みに……アランの見立てではどうなの?前回逃げた襲撃者と同一?」
「恐らくは……。俺もそこまで詳しく確認した訳じゃないので、細かいところが違うと分かりませんが」
「でも前回の相手って、戦闘能力はあったよね?」
「そうなんだよな……」
白糸夫妻を模した存在に戦闘能力はない。けどアランを模した存在は一時的にとはいえレンリを人質にとれるレベルの戦闘能力があった。普通に考えて違う、と思われるんだけど……アランが同じだと断じれるレベルの類似点があるのなら、恐らく何らかのからくりがある。
「うーん……この皮に戦闘能力をつけるのが無理、ってだけでアランの姿ならいけるのかな……素体の戦闘能力を参照してる?そもそもこのクオリティのものを作るんなら多少なりとも素材が必要だよね……」
「…………え、研究部門?」
「いやまだ分かんない。でも……アランの肉体情報持ってるとなるとなぁ……」
それはもうほぼ答えじゃん。結局関わってるんだ、研究部門……。
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