第四話 人選思案・後編
コンコンとノックする音に全員が一度動きを止める。アランが許可を出して招き入れれば、青藍がソウを見て若干引いてた。驚く訳ではないんだ……?
「本当にいるし……」
「青藍、どうしましたか」
「ちょっと情報筋からソウが暴れてるって言われて」
「まだ暴れてないよ」
不満です、と言わんばかりに頬を膨らませたからつついて空気を抜いておく。青藍のいう情報筋って……ジャックのことだよね?わざわざ青藍にソウが暴れてるって言ったの?何で?
「判別が秒で終わるなら確実に忍び込む方法があるって。しかもソウを極力外に出さない方向性で」
「そもそも出さない方向性の方が良いんですが」
「でもソウかテオしか見抜けないって聞いたんだけど」
「それは……」
「時間ないんでしょ?じゃあ下手に探り入れるより一発で見極めて拉致した方が早いと思う」
青藍がここまで言うのも珍しいな。どっちかっていうと青藍は慎重派だし。まぁジョーカーから説得と入れ知恵をされたんだろうけど……。
「それってソウは見極めるだけで良い感じ?」
「シン」
「俺戦えるよ?」
「多分あやめが嫌がるでしょ。なんなら見極めてすぐ戻れとか言いそう」
「むー」
俺とかアランとかより余程あややはソウに対して過保護だからね。どんなに安全を担保しても渋るのが目に見えてる。どう説得するつもりなんだろうなジャック。
「白糸診療所、定期的に外部から清掃業者を入れてるらしいんだよね。そこに協力者を噛ませる」
「協力者」
「そう。裏切る心配はないし、後々を考えると顔合わせをしておいた方が良いって」
「……」
アランはあんまり納得してない感じか。そりゃジャックの事を知ってるならまだしも、知らない情報筋から知らない相手を紹介されるとか怪しさしかないもんなぁ。俺だってその協力者、に関してはちょっと信用していいものか悩んでるよ。
「極力外に出ないって、もしかして水を利用するの?」
「そう。清掃業者なら一定量の水を不自然なく確保出来るでしょ」
「洗剤は目に染みるから勘弁してほしいな」
「突っ込むところそこなんだ」
絶対他に突っ込みどころはあったと思うんだけど、ソウは全く気にしてなさそうだね。そりゃ生半可な相手に負けるような強さはしてないからなぁ、相手が誰であろうとどうしようもなくなったら倒しちゃえばいいとか思ってそう。事実だけどね?
「水の用意ならあややでも……」
「あやめだとどうしたって不自然になるじゃん。しかも量が確保出来ないから一般区画に連れて行くことになるし」
「俺としてはそれでもいいんだけどね?」
「分かりましたその提案呑みましょう」
そんなにソウを外に出したくないんだ。分からなくはないけど、アランがここまで嫌がるのはちょっと意外だったな。
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