第六十話 実在を晒す・後編
「……成程、侵入者……」
「ああ。アランさんの姿を模していた。辛うじてレンリさんへの応対に違和感があったから見抜けたが……気配で判別出来ないのは厄介だったな」
「皇さんですら分からないというのは厄介ですね……もしかして判別方法はない?」
「一応……呪具を使っていたので判別自体は出来ます」
「呪具か……」
つまり俺も分かるには分かるということか。一応世界視を起動し続けていればいいだけなので当分は気を付けて確認しておこう。
「……一応私の事も確認します?」
「あ、先に確認させてもらいました」
それもそうか。アランさんの偽者が現れた時点でここに来る人は全員警戒して然るべきだろう。いつ確認されたのかさっぱり分からなかったな。
「はじめましてミライさん。私は禅譲大雅と言います」
「あ、ミライで……あれ禅譲???」
「ええ。一応本来は警備隊で働いているんですけど、今年はこちらにいることになりまして。あ、出来れば大雅と呼んでくださいね」
「分かりました……?」
「(じー)」
アルカちゃんが不思議そうな顔をしながら大雅を見てるね。気になるのかな……レンも気になるのか俺とアルカちゃんを交互に見てる。
「んななん?」
「(?)」
「え、ちっちゃい……!」
「なんな!」
「レンだよ。俺の遣霊なんだ」
「なななーん!」
びっくりしてるなミライさん。アルカちゃんも大分特殊な存在ではあると思うんだけど……あれ、アルカちゃんって厳密には遣霊じゃないんだっけ?
「……ところで、そちらの方は……?」
「あれ、大雅も見えてる?」
「(!)」
「見え……?もしかして本来は見えない方なんですか?」
「ええと……そのはずなんですけど」
「実際魔術部門の先輩方は見えていなかったみたいだからな」
そういえばそうだったな。遣霊がいるのが条件だと思ってたんだけど……大雅も見えるということは違うのかな。
「はじめまして、大雅と言います」
「あ、アルカちゃんです。さっきも言った通り今までは私以外に見える人がいなくて……」
「(ひらひら)」
スミレくんみたいな動きをしてるな。言葉が少ない子はみんな眠そうなのが共通点なんだろうか。レンがしきりに近付きたいと促すからそっと手を近付ける。アルカちゃんもレンに興味を示したのか小さな指でレンのほっぺをつついてるね。可愛いな。
「どういう存在なんでしょうね、アルカさん」
「遣霊……とも違うみたいだからな」
「(うりうり)」
「(うりうり)」
スミレくんにほっぺを揉まれてるなアルカちゃん……どういう存在なのかはさっぱり分からないけど、無害であることだけは確かだと思う。
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