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秩序の天秤  作者: 霧科かしわ
第十八章 再起に向けて

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第五十三話 正体を晒す・前編

 重戦闘区域に連れて来たものの、一旦レンリさんを呼ぶから、と言われ俺達は待機を命じられる。知らない場所に来たということが分かるのか、アルカは不思議そうな顔で周囲を見渡しているな。

「……ん?」

レンリさん……の前に、扉からひょっこりとスミレとれおが顔を覗かせる。よくあることではあるが良いのか勝手に来て。

「……!?」

 なにやらショックを受けたような顔をしながら飛びついて来たな。一緒について来たれおはひより……もうテオで良いか、によじ登りつつアルカを見て首を傾げている。

「あえー?」

「アルカさんとミライさんですよ」

「あうあ!いーあい!」

「この子が遣霊……?」

「そうですそうです。れおと言います」

「おれれお!」

「スミレ、ほら」

「……」

ぐりぐりと頭を押し付けて来るスミレを数回撫でれば、動きがゆっくりになってからそろそろと顔を上げ、アルカとミライさんの方を向く。

「こいつはスミレ、そこに転がっているのはイデアだ」

「転がって……?」

「ああ、そこの黒い塊」

「え!?」

俺の声に反応したのか頭……のような部分が持ち上がったな。相変わらず顔はないんだが、なんとなく動きから頭だろうと判断する。スミレはというとアルカの存在が気になったのか、じっと見つめていた。

「顔がない……!?」

「まぁ、イデアだからな」

「不思議な生き物ですよねぇ、イデアさん。無害ではあるんですけど」

「うあーい」

「無害……ではあるか。別に噛んだりはしない」

「(こくこく)」

イデア本体はごろごろと転がってるだけだが、スミレは俺の言葉を肯定するように何度か頷く。一応謎の生き物だという自覚はあるんだろうか、足元にぶつかって来たので持ち上げれば、おおよそ生物とは思えない伸び方をして地面に落ちて行った。

「……そういえば、スミレとれおもアルカのことがみえるんだな」

「遣霊だから……ですかね?」

「その可能性が高いが……」

「私が会えなかっただけで、アルカちゃんって意外とちゃんと見えるんだね……」

「(ふるふる)」

「(ふるふるふる)」

「なんか首を横に振ってますけど」

「流石に見えるのは特殊例……なのか?」

アルカだけじゃなくスミレも首を振ってるからな。恐らく本来は早々見える存在ではないんだろう。事実としてアカデミーの人間も魔術部門の先輩方もアルカの事を認識出来てはいない。

「お待たせしました……おや、スミレさんとれおさんも来ていたんですね」

「あれん!れんい!」

「良いのかよ勝手に来て。れおお前ちゃんと抜け出すこと言ったか?」

「いっえーあい!」

「おいこら」

「おあー」

不許可で抜け出してきたのか二人共。真偽を確かめるためにスミレに視線を向ければ、わざとらしく目を逸らしたぞ。

ここまで読んでくださりありがとうございます!

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