第五十二話 見える人、見えない人
とにかくこれ以上はアランさんに判断を仰いだ方が良いだろう、と判断して皇がアランさんに連絡を取る。ミライさんは所在なさげに眉を下げているが……ひよりは平然とした表情で皇を見守ってるな。
「すみません遅れました」
「あ、アランさん」
「あーアランさんだー!」
「アランさんアランさん、この人ですミライさん」
「は、はじめまして……!?」
「(うとうと)」
「はじめましてミライさん。……そちらの子供は?」
アランさんがミライさんの腕の中で眠そうにしている子供を見て首を傾げる。ミライさんが明らかに動揺した声を上げ、それとほぼ同時に周囲にざわめきが起こった。
「え、子供?」
「ど……れ?」
「え、本当に分かんないんだけど……?」
「もしかして俺達には見えないだけで誰かいる……!?」
「おや……志葉さん」
「ミライさんが言うには、アルカ……この子供が見えているのは、ミライさん以外だと俺達だけだそうです」
「……認知が出来ない、ということですか」
「恐らくは」
魔術部門の誰一人として見えていない、ということ……?じゃあ逆になんで俺達は見えてるんだろう、違いらしい違いはないと思うんだけど……。
「……気配が、希薄ですね?」
「?」
「志葉さんと同じこと言ってますねぇ」
「そんなにアルカちゃんって影が薄いのかな……?」
影が薄い……とは、また違うと思うけれど。俺は気配察知が得意な訳ではないから正直その辺りは良く分からない。世界視で見抜けるものでもないし。アランさんが軽くアルカちゃんを指でつつけば、くすぐったかったのかアルカちゃんは左右に小さく揺れた。
「すみませんロイドさん」
「あ、はい!」
「ミライさんの所属手続きをお願いしても?こちら書類になります」
「わぁ至り着くせり……!」
「すごい、ちゃんとロイドが記入したら処理できるようになってる」
「すでにこうなることは予測済みだった……!?」
「それと……ミライさんを少しお借りしても?」
「あ、喜んで!?」
「わ、私ですか!?」
「はい。そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ」
アランさんは安心させるように穏やかに微笑んでるけど……ミライさんは完全に固まってるな。ひよりと皇はいつも通りの澄まし顔だから、こうなることを分かってたのかもしれない。
「あと……すみません入江さん、青藍の方に向かってもらっても?」
「侵入者の件ですか?」
「はい。どうやら……入江さん以外の誰も、侵入者を認知出来ないみたいで」
「え?」
それは……一体どういうことだろう。
ここまで読んでくださりありがとうございます!
面白かったらブクマや高評価お願いします。喜びます。




