第三十九話 確かめる・前編
訓練室から退室した直後、隣から爆発音が聞こえて全員が足を止める。……誰か、爆弾でも使っているのか?全員警戒はしていないが困惑はしているな、訓練だと分かっていても爆発音は心臓に悪い。
「レンリさん?」
「え、レンリさん?」
「だって爆発音しましたし……」
「えんいいう?」
「……ちょっと覗いてみます?」
レンリさんは爆弾が武器……ではあったな、確かに爆破させているのは見たことがある。全員が息を潜めながら観戦室の方に移動すれば……訓練室の中で戦うレンリさんとゾエが見えた。
「ゾエ?」
「ゾエさんだぁ」
「手合わせ……ってこと?」
「えあーえ!」
レンリさんとゾエが、というのはかなり意外だな。それ以上にゾエ相手に継続的な戦闘が出来ている事実に驚くべきだろうか。学習されても対処出来る、あるいは学習に手間取る行動を取り続けているということになるので。
縦横無尽、なんの予兆もなくノータイムで発生している爆破を間一髪で避け続けるゾエ。詳細までは分からないがレンリさんの手には長物が収まっているので、れっきとした手合わせではあるんだろう。純粋に近接戦に持ち込めるだけの距離をゾエが詰められないだけだ。
「……魔術?」
「ぽいけど……あんな自在に出来る?」
「事前準備があれば……」
「あれ、爆発させる魔術じゃないですよ?」
「え?」
「召喚魔術です。爆弾は自作」
「もっとヤバい情報が出てきたな」
爆弾も作れるのか。……いや待て、あの物量で爆発させておいて全て自作?
「爆弾の所有量……」
「少なくとも手合わせにあれだけ使っても問題ない、っていう判断なんだよね、多くない……?」
「だん!」
やはりリソースを消費するタイプの戦闘スタイルというのは躊躇いなく使えるだけの余裕が必要なんだろうか。ナイフは近しいものではあるが、流石にあそこまで躊躇いなく使い潰すことは難しい。なんなら戦闘後は出来るだけ回収するようにしているので。
「事前に魔術で爆弾を作ってる、とかじゃなく?」
「それもあります」
「あーちゃんと物理的な爆弾も作ってるんだ……それでよくあれだけ使い潰す気になるよね?」
「爆弾は爆発しないと爆弾じゃないので……」
言っていることは正しいが、だからといってあれだけ容赦なく使えるかというと賛否両論ある気がするぞ。テオの発言は持論ではなく受け売りだと思われるが……確かに、レンリさんなら言ってもおかしくはないな、寧ろ定期的に在庫処分して新規で作り直している気配すらある。……つまり定期点検か?
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