第三十五話 怒りの理由・後編
「許せねぇのは怪異っつーか魔力励起の方だよ。下手したら死ぬ、じゃなくて本来死ぬんだからな」
怪異の群れに放り込む、は言葉こそ悪いけどあるにはあるからゆっきーもあんまり気にしてない。ただ、魔力を励起させるために全身に魔力を流す、っていうのは……明確に悪意しかないというか、鍛錬にすらならないらしいからね。ゆっきー的には許せないことだったらしい。
「よく生きていましたね」
「生きてはいるけど魔力の流れはおかしくなってる」
「おかしいんだ?」
「うん。だからなのか……どうも作る機械の方に精霊種が宿るっぽくて」
「ちょっとそれはおかしくない?」
「だからおかしいんだって」
魔力の流れがおかしいからって作った機械に精霊種が宿るのは幾らなんでも因果関係がなさすぎない?ゆっきーの発言から察するに関連はあるんだろうけどさ。アランも軽く首を傾げてるし、全員そうかな?そうかも……みたいな表情してるよ。
「犯人は……まだアカデミーにいるんですかね」
「そこまでは聞いてない、が……もし今回の候補者にいたら是が非でも締める」
「判別は?」
「組み込んでるに決まってんだろ」
「「「えっ」」」
ああ勝手に判別術式を組み込まれてるっぽい三人が驚きの声上げてる……。ごめんねうちのゆっきーが。でもほら、別に迷惑はかけないから……。
「雪代、事前報告は大事ですよ」
「お前にだけは言われたくないんだが……?」
ゆっきーの言いたいことは分かるし、アランの忠告ももっともなんだけど……なんせアラン自身が事後報告ばっかりというか、聞かれなきゃ答えないからね。説得力がなさすぎる。ゆっきーに突っ込まれたアランは素知らぬ顔で話を逸らす。
「それにしても……アカデミーで怪異を利用する、というのはどういうことなんだろうな」
「……そういやそうだな?」
「あれ、もしかしてセキュリティ的に穴がある?」
アカデミーに怪異が湧いてたら普通に問題なんだけどなぁ……?利用してる、っていうと管理が出来そうで更におかしいよね。その技術力があるならもっと周知していこうよ。
「アカデミーでの怪異利用に関しては少し探りを入れるとして…………入江さん」
「あ、はい!」
「状況次第ではアルマさんと共にアカデミーに向かってもらう必要があるかもしれません」
「分かりました!」
「どちらにせよ、内通者がいますよね?」
「そうですね。そちらに関しては……魔術部門の件が終わってから、になりますが」
何だか大掛かりなことになって来たなぁ……それにしても怪異を利用していじめに使う、とか、人間も怖いことを考えるよね。
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