第二十七話 予行練習・弐
「わぁ知らない人が二人いる」
「待って魔術適性ヤバい」
「みて魔力伝導率も高い」
「そりゃ俺達木っ端だもん当たり前だよ」
「何言ってんだお前達も鍛錬すりゃあ割と近いラインまで行けるぞ」
「行けるのぉ!?」
「行けるに決まってんだろ」
わちゃわちゃしている先輩方を見ながら、テオ……もといひよりが困惑するような視線を向ける。何も知らない状態だと驚くのも無理はないか。基本的にずっとこうなので慣れてほしい。入江はというと不思議そうな表情は浮かべたが他の部門の通常を知らないからか、特に気にしてはいないようだった。
「はい自己紹介。こっちが入江でそっちは天宮」
「入江綾華です」
「天宮ひよりです」
「ロイド・ルーサーでーす」
「その他の愉快な魔術職員でーす」
「以下略!」
「適当過ぎるだろ」
「いやでも俺達も適当に名乗ってますし」
「先輩方に認知されたくなかった名残で」
認知されたくないから名前を名乗らない……まぁ、言いたいことは分かるが。それでどうにかなるのか。でも確かロイドさんと夜星さんはちゃんと名前を呼ばれていた気がするんだが……?
「実際俺達はガヤだから」
「困ったときはロイドか眼鏡に質問すればオールオッケー!」
「あ、眼鏡は俺だよー」
「それ以外の奴に話しかけても最終的にどっちかに話が行くから」
「そうそう。その二人に話しかけてもガヤは入るけど」
「適当だなー……」
「ほら俺ら木っ端ですし」
「木っ端は魔法の言葉じゃねえからな???」
雪代さんも突っ込みはいれたが、それだけだった。本人達に不都合がないのならわざわざ指摘する必要はないし、指摘したからと言って直るとも思えない。俺も何度か関わっているにも関わらず先輩方の名前を把握している訳ではないので……本当に不都合はない。
「まぁ別に呼び方はどっちでも良いんだった。目的は予行練習だよ予行練習。本番に実行した時にお前らが驚いたら元も子もねぇからな」
「確かに!」
「何の魔術使うんですかー?」
「無茶苦茶すごい魔術使われて俺達引っくり返るんじゃない?」
「安心しろもう引っくり返ってる」
「早いよ反応が」
「俺達大体引っくり返ってない?何見ても引っくり返るよ」
「だって大抵未知のもの見せられてるし……」
「そんなに……?」
入江が困惑するように目を瞬かせる。正直俺も言いすぎじゃないかと思ってるんだが…………いや俺が把握している限りでも大概驚いてはいたか。じゃあ本当に大概の事例に驚いてるかもしれない。……スミレとかイデアを見せたら引っくり返るどころか一周回って冷静になりそうだな。
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