第二十五話 旧きは龍を知り、彼の者は
「龍種が来るの!?」
「うん」
「だん」
俺とレンが頷いたのを見た華蓮が驚いた声を出す。そんなに驚くことなんだ……レンリさんは人型に擬態する龍種はそれなりにいる、と言っていたから、てっきり開示してないだけでそれなりにいるのかと。
「龍種が……えぇ……?」
「凄いね龍種が来るって」
「そんなにすごいんですか?」
「うん。今の時代だと天使と同じくらい珍しいんじゃない?」
「今じゃなくても珍しいよ。しかも話を聞く感じまだ捧げてすらいないとか」
「捧げる?」
「んなんな?」
俺とレンが揃って首を傾げれば、シリウスさんも真似するように首を傾げる。
シリウスさんと華蓮は、再会した直後は双方びっくりして言葉になっていなかったけどすぐに情報共有を済ませてよく一緒にいるようになった。とはいえシリウスさんは体が鈍るから、と言ってちょくちょく戦闘区域に出ているらしい。毎回アルマさんが同伴しているので詳しくは知らないけれど。
「龍種って自分が認めた相手に仕える性質があるんだよ」
「へー……番ってこと?」
「いや違う、本当に関係のない相手」
「そうなの?」
「うん。それこそ命も捧げる勢いだから……基本的に寿命が短いというか、生き急ぎがちというか」
「天使とどっちが短い?」
「そりゃあ龍種だよ」
「天使の寿命って逃げ切れなくなったタイミング、だからね。今は大分長生きだよ」
上位存在の干渉が遮断されてるから、か。逆に言うと上位存在からの干渉が酷かったときは龍種よりも寿命としては短かったのかもしれない。勿論完全に油断は出来ないんだろうけれど、猶予があるのは良いことだ。
「じゃあそのミライさんも……急に誰かに捧げる可能性があるってこと?」
「うん。噂だけど……確か番に先に出会ってる場合は捧げる勢いが弱まるんだったかな?」
「あれって本当なの?」
「なんな」
「さぁ……?そもそも龍種自体ほぼ見ないし」
「見ないんだ……」
「見ないね。数が少ないっていうのもあるけど、純粋に人前に姿を現すのが稀」
人前に姿を現すことが稀なのに人型に擬態することはよくあるのか。……なんだか、矛盾しているようなそうでもないような。レンリさんが会ったことある龍種がそう、というだけの可能性もあるのかな、その場合どうしてレンリさんは龍種と会ったことあるのかが気になるけれど。
「なん?」
「どうしたの綾華?」
「いや……レンリさんが龍種は人型によく擬態するっていってたのに、人前にはあんまり姿を現さないんだな……って思って」
「まぁそう……え?」
「え?」
え?
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