第二十四話 参加を熱望する理由・後編
「見たいです龍種」
「えぇ……?厳しいって」
「やーだーみたいー」
「どう思うよ二人は」
「え、俺達……ですか?」
「おう。テオが魔術部門に行くとなったとき、現場対応するのはお前達だからな」
驚く俺とは対照的に、皇はじっといつものように読めない瞳でテオさんを見つめる。テオさんも同じようにじっと見つめ返して……やがて、意外にも皇さんの方が先に視線を逸らした。
「意思は固いようですし、ちゃんと気を付ければいいかな、と」
「今シレっと負けなかったか?」
「ちょっと、スミレみたいだなと思ってしまって」
「(!?)」
スミレくんが驚いたかのように目を僅かに見開いて皇を見つめている。かくいう俺も皇がスミレに似ているから、という理由で決断を躊躇うような……ちゃんとスミレくんに甘いとは思ってもみなかった。
「あ、俺も皇が良いなら別に良いです」
「となると……まぁ一旦雪代さんの方には報告を入れるとして、だ。それなりにちゃんとした偽装術式が必要になるか」
「別にいつものでいいですけど」
「良くないです。あれは俺がリアルタイムで弄ってるからクオリティとしてはそこまで高くないの」
「僕も弄れますよ」
「魔術を見せつけに行くのに重ねて魔術を弄る必要はねーだろ」
「えんあい!」
「そう。面倒だからな」
れおくんの発言を肯定するレンリさん。本当は俺と皇も偽装した方が良いのかもしれないけれど……まぁそもそも名前が売れている訳でもないしいいのかな。テオさんだけはエリック博士の関係もあるから是が非でも隠す必要があるんだろうけど。
「……まぁこれは余談だが、テオも行くとなると使う魔術の難易度は跳ね上がると思う。ほぼ確実に」
「えっ」
「テオが魔術について造詣が深いから……ですか」
「それもある。純粋に人数が増えたら負担が減るからっていう意味合いもあるが」
「だ、大丈夫ですかね……?」
「出来ないことはさせねぇよ。出来るギリギリを狙う可能性はあるけど」
「頑張りましょうね入江さん、志葉さん」
テオさんはにこにこと笑っているし、皇は特に動じる様子もなく頷いている。……本当に大丈夫かな、哀しいことにこの三人だと一番魔術に関して疎いのは俺だと思うんだけど……後でちょっとだけ華蓮に話をしてみよう。
「……ところで、テオは龍種の生態を見極めて……それで、どうするんだ?」
「どう、とは?」
「あの龍に話すのか?」
「うーん……内容にもよりますね。よっぽどのことがない限りは別に……ただ確認したいだけですから、何も言いません」
「……そんな心配しなくても大丈夫だよ」
何か……皇は心配事があるみたいだな。レンリさんが宥めるようにそうフォローを入れたけど、皇からの返事はなかった。
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