第二十三話 参加を熱望する理由・前編
「僕も手伝えます」
「駄目ですテオは有名人」
「むー」
魔術部門の振りをして爪痕を残す、という話を皇がすれば何故かテオさんがやる気満々になった。レンリさんに止められたのが不服だったのかぶんぶんと腕を振ってアピールしてるし。真似をするようにれおくんも腕を振ってるな……レンも動きを真似するようにぶんぶんと小さな腕を振る。
「大丈夫ですかね、俺別に魔術は得意じゃないんですけど……」
「不安は残るが……ま、大丈夫だろ。無理難題は押し付けて来ない……よな?」
「んななな」
「ふ、不安だ……!」
俺は勿論皇だって別に魔術に対して造詣が深い訳ではない。辛うじて適性がある、程度の二人でどうやって爪痕を残せば良いんだろう。……一応、雪代さんが色々と考えてはくれているらしい、と皇が言ってたが。
「皇、どう思う?」
「まぁ……どうにかなると思う。多分」
「なんな……」
「やっぱり心配ですよレンリさん」
「いやでもお前が行ったら余計なモンまで引き寄せるからさぁ」
「偽装しましょう偽装。レンリさん得意でしょ」
「何でそんなやる気満々なのお前」
「僕も龍種見たい!」
「お前そんな龍種に興味とかあったっけ???」
ここまでテオさんが引き下がるとは思わなかったし、龍種に会いたがるのも意外だったな。レンリさんも驚いているので認識としてはまず興味がない、というので間違いではないんだろう。スミレくんがぱちりと目を開けてゆっくり首を傾げる。
「何か、理由があるのか?」
「龍種がみたいです。人型の」
「出来るだけ早く?」
「はい。何も知らない個体を」
「何も知らない……は、嘘だろ流石に。中身はアレっぽいがちゃんとアカデミーには通ってる」
「でも、この人多分まだ腹芸とか出来ません。だから分かると思うんですよ、龍種の生態」
「言いたいことは分かるけどなぁ……」
「龍種の生態って……どういうことですか?」
まるで重戦闘区域にいる龍は参考にならないみたいな。……実際参考になるのかどうかは知らないけど、かなり変わっているのは知ってる。質問した張本人である皇はそうか、とだけ言って黙り込んでしまった。テオさんも生態は生態です、としか言わなかったので代わりにレンリさんが口を開く。
「お前が連れてきた龍、一般的に認知されてる龍とはちょっと方向性というか……それこそ本当に生態が違うみたいでな、一般的な認識がおかしいのか、それともあの龍がピンポイントでおかしいか確かめたいんだよ」
「成程……?でも人間になってる龍も大概に外れ値では?」
「いや人間になる龍自体はちょくちょくいる。デカいと動きづらいからな」
そういうものなんだ。




