第十四話 人員不足故に・前編
「おう来たぞー」
「雪代さんだー!」
「皇さんもいるぞー!」
「メシヲクエー!」
「うわぁおばちゃんの反乱!」
「おばちゃんが人参もって走り出したー!」
「はい全員しゅーごー」
「わー!」
相変わらず自由だな……わらわらと集まって来た魔術部門の先輩方が雪代さんに指示されてなんとなく整列する。事前に雪代さんからは魔術部門の方で問題が発生した、と聞いていたんだが……一見すると何の問題もないように思える、な?
「どうしたんですか雪代さん」
「雪代さん遊んでー」
「見てください雪代さんこれ」
「皇くんの魔術みたーい」
「おいお前らロイドどこいったか知ってるか?」
全ての発言をスルーして雪代さんはロイドさんを探す。何人かが奥へと走って行って、更に何人かが椅子と机を持ってくる。……長話になるんだろうか。
「お待たせしましたー!って皇さんもいるー!?」
「あれロイドが呼んだんじゃないの?」
「内容的に必要でしょ皇さんも」
「いや一番必要なのってアランさんじゃね……?」
「アランさんは忙しいからさぁ!」
確かにアランさんは忙しいが。アランさんが必要な要件だった場合俺達ではどうにもならないんじゃないだろうか……。まぁその場合は一度持ち帰って検討、になるだろうな。ガタガタと椅子に座ったロイドさんの周囲に他の先輩方も張り付く。眼鏡の先輩だけはロイドさんの隣に椅子を持ってきて座っていた。
「実は魔術部門に人を増やせって言われてましてぇ……」
「あー増員命令……?またタイムリーだな」
「でも俺達魔術部門の職員だけど木っ端魔術師だからさぁ!」
「伝手とかないんですよー!」
「見抜く方法も分かんないんですよー!」
「メシヲクエー!」
「まぁそうだよな。俺も別に伝手とかないけど」
「俺もないですね」
「終わった……!」
「何ならアランもねぇぞ」
「終わった……!!!!」
そもそも伝手なんてあったらあんなことにはなってないんじゃないだろうか。がっくりと机に突っ伏すロイドさんとけらけらと笑う眼鏡の先輩。周りにいる先輩方も打ちひしがれたり踊り始めたりと様々だ。
「どうしましょー……!」
「んー……まぁ一旦アランに話はしておくか。必要ならアランが来るだろ」
「因みに三日後にはなんか候補者が来るらしいです」
「近いな日程が」
「俺達も今知りました」
「俺もさっき知りました」
スケジュール管理が無茶苦茶過ぎないか。相手からしてみればあまり他者の関与……それこそ、アランさんには出てきてほしくないんだろうとは思われるが。
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