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秩序の天秤  作者: 霧科かしわ
第十八章 再起に向けて
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第九話 同級生達による移籍の話

「え、東雲もレイスに?」

「はい」

 東雲がレイスに移籍する、のか。……入江の驚きは尤もだな。正直俺も驚いた。テオは平然としているので聞いていたのかもしれないが。

 たまたま俺とテオが追加された戦闘訓練プログラムを確認していた所に入江がやって来て、そこに東雲が合流した形になる。もう動き回っても大丈夫なのかと問えば、特段外傷はなかったため許可は出ていると返された。実際のところどうなのかは知らないが、本人がそういうならそうなんだろう。

「その……大丈夫なの?色々と」

「アランさんから許可は出ているので……」

「アランさんから……」

 じゃあ大丈夫……か?正直状況としては認めるしかない、というだけで本人は特に納得はしていない可能性がちょっとあるな。アランさんが私情で引き止めるとは到底思えないし。

「宇月さんも行きますもんねぇ」

「そうですね」

「宇月さんも!?」

「良く知ってたな……」

「宇月さんがレンリさんにそうやって言ってたので」

成程レンリさんか。確かに医療部門の職員が揃って移籍すると不味い……訳ではないだろうが、不都合が出る、と判断してもおかしくはない。入江もそれで納得したのか、こくこくと頷きを返した。

「確か月野さんと根黒さんと……夏音も移籍するんだっけ?」

「……流石に、重戦闘区域ならともかく支部としては少なくないか?」

「そうなんですよね。なので人員が補充されるまではほぼ重戦闘区域と合同、という形になるようでして。拠点が変わるだけでほぼ今まで通りと思っていいそうです」

名義変更するだけで余計な詮索が減るのなら抗う理由もないのか。完全に独立するまでに猶予があるなら、アランさんも覚悟を決める時間がある、ということだろう。その辺りは本人の問題になるので俺が干渉出来る領分ではないが、出来れば双方納得出来るラインを見極めてほしいとは思っている。

「でも……意外だったな、東雲が移籍するの」

「そうですね。今までだったらきっと選ばなかった選択肢ですから」

「じゃあどうして移籍しようと思ったんですか?」

「――透が見て来たものや体験してきたことを、知りたいと思いまして」

 ふ、と微笑む東雲。思わず見ていた三人全員が言葉を失うような笑みだった。今までの困ったような笑みでも、穏やかな笑みでもない。どこか不敵で、それでいて無邪気な。……そうか、本当はそうやって笑うのか。

「そっか。……あれ、因みにリアムさんは?よく宇月さんのところにいたけど」

「そちらは青藍さんがテレポート出来るように取り計らうそうで」

……本当に大丈夫なんだよな?

ここまで読んでくださりありがとうございます!

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