第七話 迅速な根回しと外堀を埋めて
「え、お前がレイスに行くの?」
「はい。だからレンリさんは重戦闘区域にいてくださいよ」
宇月さんがレイスに行く、と言われてレンリさんは目を丸くする。僕としてはレンリさんには是非とも残ってほしいとは思ってたけど……どういう風の吹き回しだろう。
「れんい、いう?」
「いやー……え、マジで何で?お前がわざわざレイスに行く必要ってあんのか?」
「実は泰誠がレイスに移籍することになりまして」
「嘘だろ」
「東雲さんが?」
「おあー?」
もっと意外なことになってるな……?何で東雲さんはレイスに行こうとしてるんだろう、というか、アランさんはそれを許可したんだ。
「いや、まぁうーん……?言ってることは分かるし今の状況下なら確かに許可は出てもおかしくはないけど、えぇ……?」
「意外ですね」
「うんそうね、アラン職員があんまり自己主張をしないタイプとはいえ、よくまぁ認めたなそれ。つかお前もよく受け入れたなそれ」
「俺は、泰誠に自分の人生を生きてほしいんです」
「そうだね、そうだろうね……だからってレイスに移籍する?」
「過保護なんですよ。どいつもこいつも」
「うーんぐうの音もでない」
確かに重戦闘区域にいる限りアランさんは全力で東雲さんを庇護するだろう、ということは想像がつくけれども。れおも同じ感想に至ったのか間延びした鳴き声を上げている。
「因みに藍沢先生は?」
「好きにしろ、と言われてます」
「まぁそりゃそうか……」
言っても無駄……とまではいかないけど、意思が固いことを察したんだろう、レンリさんはちらりと僕の方に視線を向けてから口を開く。何でこっちを見たんだろうな、気になることでもあったのかな。
「一応聞いとくんだけどさ……お前、リアム職員はどうすんの?」
「どうする……とは?」
「懐かれてんだろ」
「あ、それに関しては青藍さんに話をつけました。テレポート出来るようにしてくれるそうです」
「成程……?それならまぁ良いか」
良いんだ。テレポートって確か一般的には禁止されてたと思うんだけど……青藍さんが許可したんなら多分大丈夫なんだろう。空間を管理してる張本人だし。
「……ということは医務室も移動するんですか?」
「あー……?いや、このままで良いだろ別に。場所自体は変えた方が良いかもしれんが、設備に違いはないからな」
「お手数をおかけします」
「問題ない問題ない。寧ろ支部に行ってからの方が忙しくなるぞ。メンバーは慣れ親しんでるかもしれんが、仕様が色々と違うんでな」
「あいえん!」
「そうだな、多分思ってるよりも大変だぞ」
「覚悟の上です」
支部と本部って仕様が違うんだ……初めて知ったな。何が違うんだろう。




