第三話 事の次第と、この先と・前編
アランさんは重戦闘区域に戻ってすぐ情報整理の為にリアムさんを探しに行ってしまった。俺達はもう休んで良い、とは言われているが……事の顛末を知るためにも一度医務室に顔を出すべきか。
「あ、皇くん!」
「ノエルさ、ぐぇ」
「わぁ」
「スミレ!」
「(じー)」
「突っ込んで来たくせに不思議そうな顔するんじゃない……」
そんなに勢いよく突っ込んで来たら危ないだろ、という指摘は当然のようにスルーされた。よじよじと居心地の良いポジションに居座ろうと動き回るのでしっかりと抱え直す。すかさずイデアが寄って来てブランケットになっていた。
「だ、大丈夫?」
「大丈夫です。すみませんノエルさん」
「いや、俺は別に大丈夫だけど……」
迷惑は……かけてはいなさそうだな、純粋に連れて来てもらっただけなのか。……それもそれで迷惑にならないか……?
「二人がいるってことは……アランさんも帰って来たのか?」
「はい。アランさんは情報整理の為にリアムさんのところへ」
「成程……二人はこれからどこに?」
「俺は顛末を聞くために医務室に行こうかと」
「僕はレンリさんの医務室に行きます。ゾエさんはどうします?」
「俺もレンリさんのところいく!」
「成程!因みに今宇月くんの方の医務室は立ち入り制限が掛かってるんだけど」
「立ち入り制限」
「そう。立ち入り制限」
「(ふんふん)」
宇月の方……ということは、東雲を説得でもするんだろうか。それなら邪魔はしない方が良いな、そうなると……俺もレンリさんの医務室に行った方が良いか?
「じゃあ俺もレンリさんの医務室に行きます」
「オッケーなんだぞ!」
「ノエルさんは?」
「俺はゆっきーからちょっと調べものを頼まれてる!」
「雪代さんから?」
「うん!」
雪代さん……ということは、宇月の肉体に入っていた魂についてだろうか、結局あれはどうなったんだろう、レンリさんに聞いてみてもいいかもしれないな。
「(ふにふに)」
「何だスミレ。……くすぐったいんだが」
ノエルさんと別れてレンリさんの医務室に向かう途中、眠ると思っていたスミレが身体を起こしたかと思うと俺の頬を揉んできた。何してるんだスミレは、真剣な表情をしてるが、意味があるのかこれは。
「何かついてましたか?」
「(ふるふる)」
「予防!」
「ああ予防。確かに志葉さんって色んなところに行きますもんね。上書きってことですか」
「(こくこく)」
「何の話なんだ……」
どうやらテオとゾエには何をしているのかが分かるらしいが、俺はくすぐったいだけだぞ。抵抗するほどでもないので好きなようにさせていたが……やっぱりやられっぱなしは癪なので頬をつついておいた。
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