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秩序の天秤  作者: 霧科かしわ
第十七章 あの日を越えて
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第八十九話 何故二人は別たれたのか?・中編

「一応羽根は斬った訳だが、シリウス(こいつ)以外が狙われたときにこいつも巻き込まれる可能性はゼロじゃないんだよな」

「華蓮のこと……ですか?」

「端的に言えばそうなる。あっちは対策してないだろ」

「対策……」

「リアム、どうなの?」

「アランが何も言っていないということは早急の危険性はないと思いますが、ないと言い切るのは厳しいですね」

 華蓮が狙われる可能性……か。研究部門に狙われる可能性は考慮していたけど、上位存在は認知してなかったな。やっぱり狙われるんだろうか、今まではそんなことないと思っていたんだけど。

「華蓮……ってまさか、慈愛の?」

「あ、はい」

「嘘でしょ!?……地上に来れたんだ」

「そんな驚く?」

「だって彼、他の天使のまとめ役みたいなのもしてたし」

昔から面倒見が良かったんだな。他の天使のまとめ役をしていたから地上に来られない……というのは、他の天使の為にとどまると思っていた、という認識であってるんだろうか。確かに華蓮なら他の人ばかり優先しそうではあるけれど。

「どうやって来てるの?狙われる可能性があるってことは剣はいないんだよね?」

「いや、剣はこいつ」

「はい」

「え、君剣だったんだ」

「一応そうらしいです」

 正直俺に自覚は微塵もないけれども。元々俺を作り出したのが研究区画、と言っていたから俺の場合は所業というよりは存在そのものが大事、らしい。……改めて考えても良く分からないな。シリウスさんもあまり納得がいっていないのかふーんと言いながら首をひねっている。

「入江は剣だけど人工的だからか自覚がないんだよね。あと決定的な断絶が出来てるのかも謎」

「出来てはないだろ。少なくともあの天使はほぼ自力で隠蔽してるぞ」

「自力で隠蔽を……」

それは初耳だったな。俺が知る限り天使って姿を現した時点で上位存在からの干渉が来る感じだから……一体どれだけの労力を費やせば存在の秘匿は出来るんだろう、どうすれば、その負担を減らせるんだろう。

「あの、そもそもなんでシリウスさんは重戦闘区域……じゃなくてヘブンにいたの?」

「俺が降りた村がそのヘブンって場所になってた」

「元々北にあった村なんだが……位相ずらしてあったから、ヒュリスティックを設立した時に混ざったんだろ」

「そんなことあ……るかな、まぁ起こってるしあるのか……」

有り得るんだ。先程から限りなく口数の少なかったリアムさんも思わず同じことを呟くくらいにはちょっと意外だった。

「何で降りたの?」

「アルマが生贄にされそうになってたから」

「アルマが?お前を生贄に出来る村人ってちょっと強くない……?」

「俺もそう思ってる」

アルマさんも疑問に思ってるんだ。……アルマさんを生贄に出来るレベルの村人がいる村…………そんな村有り得るんだ……。

ここまで読んでくださりありがとうございます!

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