第五十九話 決戦・合流
「……アレンさん」
「ああ。……どうする、合流するか?」
「いえ。俺達は俺達のやるべきことをしましょう」
空間に傷が出来たことには気付いている、恐らく利用すれば誰かしらと合流出来るであろうことも。だが、俺とアレンさんが合流すると状況としては悪化の一途を辿るだろう、そもそも入江達の方が分断されていた事実が気にならない訳ではないが、大丈夫だと思って行動するしかない。
俺達自身もかなり深いところには来ている。怪異の数も増え、強さも変化している…………のだが、まだ足りない。もしここが最下層なんだとしたら、主犯よりも取り巻きの方が強い……だなんてことになってしまう。
「……何か、ギミックがありますか」
「ここまで音沙汰がないとなると……何かしらの妨害を受けていそうではある、が」
そこまでいうとアレンさんは口を閉じる。妨害を受けているとして、どうして俺達は認識出来ないんだろう。そもそもいつから?気配はずっと気にしていた、魔術的な妨害だとしても今は分かる筈だ、全ての対策をすり抜けて影響を及ぼしているとしたら――――それは、とても厄介なことになる。
「怪しいのは――――…………」
本腰を入れて気配を探る。こちらに意識を向けるもの、アレンさんを狙うもの、殊更に強い存在を重点的に。出来れば位相がずれていても探れれば楽だが、流石に望みすぎだろうか。いや……空間が不安定だからか、多少なら位相がずれていても分かりはするな。その中でも特に深い場所に意識が向く。
最下層とおぼしきエリアに何かがいる。ただそのエリア自体が少しずつ移動してるな……どうなってるんだこれは、最下層が移動するとか言ってる意味が分からない。一応確認のために、指向性を弄って更に詳細を探る。
「……?」
何か……夏音がいるような気がする、な?夏音がはぐれて入江が例の空間マーキングを実行したのか、それとも別の意図があったのか。兎に角現状夏音は最下層にいる、と。不思議なことに青藍さん達ではない誰かと一緒にいるようだが、はて。
「どちらにせよ……」
狙う場所は決まったな。合流する気はないが、目的地にいる場合は不可抗力だろう。
重幽撃を叩きつけて空間に罅を入れる。そこから更に踏み込んで、アレンさんと共に最下層へ。炎が爆ぜるような音に一瞬違和感を覚えたが、空気感は変わらなかったのでそのまま突き進んだ。
視界が開けると同時にヘブンにあるとは信じがたい風景が広がり、一瞬でここが”異常”なのだと把握する。ここまで既存の空間と異なる状態にしているとなると、相当空間操作にも長けていると見るべきか。
「っ皇さん!」
「夏音、無事か?」
「はいっ」
怪我、精神異常共になし。隣にいる存在も……特に異常はなさそうだな。
ここまで読んでくださりありがとうございます!
面白かったらブクマや高評価お願いします。喜びます。




