第四十九話 目には目を・中編
「犯人の居場所って分かるの?」
「位相が混ざってしまったので正確な場所となると……」
「というか大前提として。……儀式ってどうやって止めるの?」
今回潜入したメンバーの中で魔術に詳しいのは誰だろう。多分ただ犯人を倒せば終わり、という話ではないだろうし……下手すると相手に気付かれる前に魔術を妨害する、なんていう高度な技量を要求される可能性がある。
「東雲さんって止められる?」
「今の私では、厳しいでしょうね……存在自体が不確かなものである上に、儀式の材料として組み込まれてしまっているので……」
「そうなると……アランさんも駄目、東雲も駄目……?」
「一応、多少の魔術なら分かるけど……妨害とかは専門外なんだよね。レンリさん連れてくれば良かった……」
「月野さんは……魔術に詳しかったりしないかな」
「どうだろう?」
少なくとも皇が魔術に詳しいという話は聞かないので、事態解決のために雪代さんやレンリさんと連絡をとるか、あるいは月野さんが魔術に堪能という可能性に賭けるしかないだろう。ただ破壊するだけ、ならいくらでもやりようはあるんだけど。
「じゃあ東雲さん、泰誠の居場所は……?」
「確実なことは言えませんが……思い当たる節は、いくつかありますね」
「じゃあ近い順に回っていこう。立ち止まってるとまた怪異に囲まれそうだし……」
既に怪異の気配がちらちらと増えてきている。東雲さんが実体化したから……怪異が増えた、という認識で良いのかな。儀式の”材料”といっていたから、連れ戻すために怪異が来ている可能性は充分ある。
適宜怪異を減らしながら探索を再開する。どうやら東雲さんは位相を移動するひずみを把握する術があるらしく、二つほど空間を移動して最初の空間に程近い風景の場所に出る。とはいえやけに廊下に物がないから……似ているだけで別の位相なんだろうな。
「この位相の談話室が怪しいはず……」
「何か、この空間やけに壁が……」
「壁?」
宇月さんの顰め面が気になったので世界視を起動。壁をじっと見てみる、特に何の情報もとれない……いや、そもそも情報がとれない?
「この壁、ただの壁じゃない……!?」
「はい。この空間は、怪異の体内……ですので、長居は禁物です」
体内……体内!?くるりと視界を回しても何の情報だって取れやしない、成程確かに怪異の体内ならば俺が情報を取れるわけもないんだが……こんな空間に東雲がいる可能性があるのか、というか初手でこんな場所ということは……東雲が置かれている状況、限りなく危険なのでは?
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