あ、クマ?さんにんに出会った。
「ここが、能無し達が使ってもいい家よ?」
「能無し?」
「お前か?」
「俺じゃねぇ!お前だ!」
「それは無いです。アニキ!こいつです。」
「アルバート・・・。」
「えぇ、俺っすか?」
「お前はこっちだ。」
「・・・お前たちは、そこで暫く待機していろ。下手に出歩くと・・・まぁいい。」
「それ!それ!途中で止められるのが、一番怖いから!」
「・・・行くぞ、小僧。」
「無視か~!」
俺は、ガーラさんとメイルーンに連れられて、大きな木のうろに入っていく。
「ここは、どうなってるんですか?下に落ちたのに、森のなかだし・・・。」
「ここが、本当の森だ。上のは、いわば飾りだ。」
「飾り・・・。何故、そんな事を・・。」
「人間どもが侵略を繰り返してくるからだ。」
「森の民は、人間ではないのですか?」
「厳密に言えば違う。」
「では?」
「遥か昔、我々の種族はエルフ族と言われ、世界中の森を支配していた。しかし、人間の増加は止まらず、森の木々をなぎ倒し、土地を我が物とし、やりたい放題。しまいには「我々の土地から出ていけ」と言い張る。
その後の闘いで、多くのエルフが命を落とし、人間族への復讐を誓った。その結果、怒りに支配される者や悲しみに支配される者が現れ始め、復讐の鬼と化した我々は、神により永遠の命を奪われたのだ。
その時から、我々は復讐を止め、森の民へと名前を変え、今に至るという訳だ。」
「昔話のエルフに、そんな歴史があったなんて・・・。」
「昔の話よね!私がまだ子供の頃の話だもの。」
「子供の頃って、今でも十分若いですけど?」
「あら!失礼ね!こう見えても立派なレディーなのよ?大人なの!お・と・な!」
「こ、これは失礼しました!」
まぁ、総じて「大人」という奴に限って子供で、「私もまだまだ子供よね?」って言っている奴は十分すぎるくらい大人だと、相場は決まっている。
「ほんっとに失礼ね!!」
「??」
「小僧!お前は精神の精霊に好かれていると言ったろ?何となくばれるぞ?我々には・・・。」
「ゴメンナサイ。」
ぷんすか怒っているメイルーンさんは可愛らしい・・・おっと、無心無心・・・。
「わた、しは・・・死んだ・・・のか?」
シャイニングフォースのリーダーであるヴァールは、焼け野原に一人佇んでいた。
遠くでは雷鳴が轟き、何かがはじける音が度々聞こえてくる。
更に、怪しい笑い声が辺りにこだましている・・・。
「リーダー、今、回復を・・。暖かなる炎よ、傷ついた者に暖かな癒しを・・ヒール。」
「は!俺は、一体!?」
「リーダーは、ロアさんの初撃で吹き飛んだんです。」
「・・みんなは、無事か?」
「えぇ、奇跡的に・・・。」
「どうやって、助かったんだろうか?」
「リーダーと同じよ。初撃で、飛ばされて・・・。」
「あの音は?」
「メグ死舞の死の乱舞・・・誰も止められないの・・・。」
「・・・よし。俺がやってみよう。・・・危なくなったら、助けてね?」
ヴァールがメグ死舞の乱舞へ近づいていく。
「お~っほっほっほっほ!」
「はぁーはっはっはっはっ!」
これ以上近づくと、体がもたない。本能で感じるヴァール。
意を決して、声を大にして叫ぶ!
「あぁ、これはひどい!男爵様と、ハンナ様に相談しなくては!」
「・・・」「・・・」
急に訪れた静寂に、耳鳴りが甲高く響いている。
「お前、今男爵様って言ったか?」
「あなた、今、ハンナ様って言ったわよね?」
「え、ええ。現状を報告しなければ、と・・・。」
「やめておきなさい。だれも、そのような事は、望んでいないわ?」
「そうだ、そうなっては、お前も危ないからな。」
「一旦休憩にしましょうか?お姉さま。」
「そうだな、お茶にしよう、妹よ。」
ぜってぇ~男爵に言いつけてやる!!
メグ姉妹の目が笑っていない。
先ずは、平和が一番だな。・・・まだ、人生を楽しみたいし。




