↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
しあわせの国  作者: 狼眼
1章 しあわせの国・・グリフ王国・・

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
100/684

槌の民

俺たちは、巨大な木のうろに入り込み、更に下に降りる階段が見える。


「メイルーンさん、まだ下があるんですね。」

「いえ?あと少しよ?」


階段を降りると、巨大な木をくりぬいた様な大きな部屋があった。

そこには複数名の男女が座っている。


「来たか、ガーラ。」

「は、長老。」

「・・・長老?この若さで?」

「ガーラ、この者は?」

「精神の精霊より祝福を受けている者です。」

「ほぉ、吉報だな。」

「はい、なので、本日で決着をつけようかと。」

「ようやく・・・か。」


俺の話を華麗にスルーしながら、長老と呼ばれる男と、ガーラさんは話を進めた。

長老も、ガーラさんも同じ様な年に見えるが、若くして長老とは、なかなかの実力者なのだろう。


「して、その者の名前は?」

「・・・・こ、小僧です。」

「アルバートです!」

「アルバートか、其方が我々に力を貸してくれるというのだな?」

「・・・そうなんですか?」

「この者であれば、正しく導けるかと・・。」

「そうだのぉ。試してみるか・・・。」


「こぞ・・・アルバート!此方へ来い。」

「・・・はい。」


俺は、ガーラさんの近くへ行き、示された椅子へと腰掛ける。


「先ずは儀式の正装の準備を・・・。」

「槌の兄弟をこちらに」


奥の扉が解き放たれ、3つの影が躍り出てきた。・・・というか、小躍りをしながら、何かの歌を口ずさみながらの登場だ。


「フンフフン!大きな槌を振りかざし~。」

「数多の敵を屠り去る~。」

「鍛える武器も数知れず~。」

「ハハンハン!小さき針も矢の様に~。」

「細かな飾りも繊細に~。」

「機能も優雅も作り出す~。」

「それが!」「それが!」

「「「それが我らの、し~ご~と~!」」」


「・・・もういいか?」

「応、今回は何を作るのだ?」

「こ奴の霊装を作ってもらえんか?」

「・・・う~むぅ。おぬし、好きな色は有るか?」

「そうだな。赤!強そうな赤が良い!」

「うむ!・・・赤はやめておけ。緑にしよう。」

「何故!?」


小躍りで出てきた3人は、槌の民と言われており、森の民と同じく人間に住処を追われた民族らしい。だが、元々放浪の民であるため、これといった感情は持っていないらしい。


「よし、寸法はとった。」

「素材もある。」

「装飾も準備できている。」

「「「よし!作るぞ!」」」


なんだか、3流の演劇でも見ている様な感覚になってしまう。


「ガーラさん、大丈夫なんですか?あんなので。」

「槌の民に装備を作ってもらえるというのは、冒険者にとって憧れの事なんだぞ?」

「普通は作って貰えないんですか?」

「あぁ、デュアルでさえ1年粘ったという話だ。」

「・・・ちょっと、期待できますね。」

「あいつが最初に作ってもらったのは、ミスリルのチェインメイルだった。」

「え、武器マニアっぽいのに?」

「あぁ、武器については、自力で古代遺跡を漁るのだそうだ。」

「はぁ、そうそう出てはこないでしょうに・・・。」

「そうだな、あいつの戦果としては、ローフルブレード・・・位のものか。」

「男爵様ほどの方でも、剣1本・・・。ですか。」


男爵ほどの活躍をした人であれば、もっと財宝などを見つけていると思ったんだが。そう甘いものではないらしい。


「・・・あれを超える剣もあるにはあったのだが・・・。あいつ自らが放棄したのだ。もちろん事情はあったんだがな。放棄する際、血の涙を流している様な、苦悶の表情であったな・・・。今思い出しても・・・・笑える。」


武器マニアが、伝説級の武器を手放すって、何があったんだろう?

そう思っていると、両肩に何かが乗せられた。


「え、なんです?」

「できたぞ?霊装だ。」


それは、若葉の色をそのまま織り込んだような、それでいて質素には見えない、精霊の力を宿したようなマントであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。