森へいきましょう
「よし、ここで休憩する。」
俺たちは、男爵領から歩いて2日ほど進んだ場所まで来ていた。
寝るとき以外はほとんど休憩もなく、なかなかの強行軍だ。
「ぶはぁ!やっときゅうけいか~。」
「ぎづい。みず~。」
「ガーラさん、意識が飛びそうです・・。」
この強行軍は、ただ歩いているだけではなく、俺たちの修行も兼ねているという、とても俺たち想いなことで、有難い。(うそです。)
「アル!お前も荷物持てよ!俺ばっかりじゃないか!」
「あのなぁ、この光の精霊を出しながら歩くのも、ものすごく疲れるんだぞ?ビルットに言え!」
「いやいやいや、お前たちの食料はだれが運んでいる?自分の分だけ残して捨ててもいいんだぞ?ギニンはどうした?あいつに持ってもらえよ!」
「・・・あいつは、斥候の練習も兼ねてるしな・・・。ついでに果物もとってきてもらってるし・・・。はぁ、言い争っても何にもならん。」
「元気がありそうだな、もう少し進むか?」
「いえ!休みます!!」
今は、まぁほどほどに安全な道を進んでいるが、一応、斥候としてギニンが先行している。ギニンが戻るまでは一旦休憩という訳だ。
「アル、さっきの風の精霊にしてよ。涼しい風がほしい。」
「いや、水の精霊だな!水が飲みたい!水袋臭くないやつ!」
「勝手なこと言うな。全部、平等にやってるんだ。次は闇の精霊なの!」
休憩中、馬鹿な事を言いながらも、精神力を回復させる。気分を明るく保つことで、回復も早くなるらしいから、こいつらにも感謝しなくては。
「アンナさん、本当にやるんですか?」
「や、やるわょ・・・。」
洞窟の入り口付近では、メグ姉妹が暇そうに佇んでいる。
「おーい、アンナ!まだぁ?」
「絶対!絶対に!怒んないでくださいよ?絶対ですよ?」
「はやくしろよ~。」
「アンナ。私から行きましょうか?しっかりと防ぎなさいよ?」
「ちょちょ!行きます!行きますから!!!」
アンナは上位精霊を呼び出すために集中する。現在のアンナの力では、ギリギリ呼べる。調子が良ければ呼べる。そんな所だろうか。
リアさんの前で召還をミスったら、後で何を言われるか分からない。
集中、集中。
「猛き炎の化身!イフリートよ!・・我に力を!・・・・助けて。」
「しゃーない!リア、行くよ!」
「えぇ、・・・混沌より生れし深淵の炎よ、この世のすべてを焼き尽くせ! カオスフレア!」
「だめ~!!!」
「に、げろ!」
「防御姿勢!!」
メグ・リアの放った赤黒い炎の球は、上空へと飛んでいき、一瞬の静寂の後に破滅の音を奏でた。
グゴゴオオォォ!
「あつ!!」
「服が燃えてる!!」
「直接空気を吸うな!肺が焼けるぞ!!」
たった一度の魔法で、闘いの演技が、地獄絵図へと姿を変えた。
「あら、ちょっと強かったかしら?」
「ははは!手加減って難しよな!!・・・よし、私が熱気を払ってやる!・・・ハッ!」
バン!という破裂音と共に、熱気と人が飛び散った。
「・・・う~。ダメだ、・・・そういえば、手加減って習ったことあったか?」
「ハンナ様が、そんな事教えるわけないでしょ?いつでも全力よ?」
「だよな?」
「アルと一緒に行きたかった・・・。」
シャイニングフォースの皆さんは、既に全滅していた。




