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しあわせの国  作者: 狼眼
1章 しあわせの国・・グリフ王国・・

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デュアルの最後の冒険者活動

「あれは、20年前の事だったかな?」


え、ここから昔話が始まるんですか?

ガーラさんが「少し長いぞ」と小声で忠告してくれる。が、興味が無いわけではないので、聴いてみよう。



当時、俺たちのパーティーは王国内でも最強の集団だった。俺と、ハンナ、ガーラ、ディック、あと数人は出入りがあったが、メインはこの4人だった。

ギルドの最難関クエストが掲示され、乾季が終わるころ、俺たちの出立の準備が整った。

死の森の周辺に現れた魔獣の討伐依頼。王国からそこまで離れていない場所での魔獣発見に、王国内はざわめいていた。

俺たちは、馬を駆りながら死の森と山の境に到着。ここが目撃現場だった。


当時のうわさでは「ペルーダが誕生したんだ!」とか「ラミアが襲ってくる」などの適当な話が出ていたが。実態は、スライムに捕食された蛇が巨大化しただけのものだ。


俺たちは、山の崖を背にして、背後からの奇襲が無いようにしていたのだが、奴は森からではなく、崖の中から現れた。

デックの声が無ければ、初撃で撤退を止む無くされていたかもしれない。


俺は古代王国の魔法剣を、ハンナは魔術の最高峰の攻撃魔術を、ガーラは上位精霊の召喚を、デックは魔法の短剣を駆使して戦った。


俺は蛇の真正面から、攻撃を引き付けながら斬撃を浴びせた。何度攻撃し、何度交わしたかも覚えてはいないが。

ガーラは、上位精霊であるイフリートを召喚し、操りながらも戦乙女の槍で攻撃。普通の巨大な蛇なら、これだけで瞬殺だがな。

ハンナはファイアボールだ。初級のファイアボールではない。最上級のファイアボールなんだ。メイジなら普通に使えるファイアボールは、岩を砕く。だが、ハンナのファイアボールは岩を溶かすんだ。・・・ものすごく熱い。・・・あいつは怒らせない方が良い。

デックは短剣で、蛇の意識外の所から攻撃を加え、蛇に痛手を与えていた。細かく動き回りながら、攻撃もほとんど受けずに。


・・・今考えると、無茶だったな。アタッカーとタンクの役割を一人でしていたのか・・。


そして、早朝に始まった闘いは昼過ぎに決着をつける事が出来た。

ちなみに、山の洞窟の半分は蛇とハンナが作った穴だ。宝珠が祀られていた洞窟側から蛇が出てきたって感じだな。


そして蛇の魔獣を倒した後も大変だった。膨大な瘴気を蓄えた蛇を完全に燃やして灰にするまで、俺たちはその場を離れる事が出来なかった。

10日間くらいだっただろうか。蛇とハンナが作った穴に拠点を設け、それぞれが蛇を燃やしていったんだ。ハンナとガーラは火の魔術と精霊で、俺も微力ながらサラマンダーを召喚し、燃やしてもらった。

デックは王国まで行って、神官戦士のヤクシを連れてきて、魔獣の浄化にあたってもらった。

そのヤクシは今でも交流が続いており、密かに王国の情報も貰っているんだ。


その戦いの結果、国王から男爵をもらったってわけだが、デックに関しては、蛇を討伐した際のラストアタックを取ったため、「短剣でドラゴンを倒した」という噂まで広まってしまった。

まぁ、実際にドラゴンと戦った際にもラストアタックを決めているから、デマではないんだがな。


そうして、俺は領主となり、あの蛇の討伐が、冒険者活動の締めくくりになったって訳だな。

確かに、一番厳しい戦いではあった。

でも、冒険者で中堅の辺りにいた時代も厳しい戦いがあったんだぞ?

この古代遺跡で手に入れたローフルブレード。お前たちもローフルにぼろ負けしただろ?あれのパワーアップバージョンと戦ったのさ。正直死ぬかと思ったね。

何しろ、古代遺跡自体のフル・エンチャント状態の魔法の騎士だぜ?

動きは早いし、攻撃は重いし、パーティーの力は借りれないしで、ドラゴンより強かったな。


しかもローフルは古代語魔法も使えるんだぜ?せっかくのミスリル制のチェインメイルがぼろぼろになるし、当時使っていた魔法剣も使い物にならなくなるし・・・。


「デュアル、その辺でやめないか。話が単なる昔話に変わってるぞ?」

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