銀色のきらめき
「っっっっめ~!!」
「お勤めご苦労様でした。アニキ!」
サンタスとギニンが食堂で酒盛りをしている。食堂は期間中無料の為、腕相撲で稼いだ金はまだ触れてはいない。使う機会がなかったという事と、解放された充実感が優先されたため、失念していた。
「ビルット~!こっち来いよ!!エールしかないけど、一緒に打ち上げしようぜ!!なんで店の中入んないんだ?」
「い、いやだ。俺は入らない。こんな魔物の巣窟・・・。」
「ちっ、しょうがねえな。ギニン、外で飲むぞ!」
「はい!アニキ!」
三人は食堂ではなく、近くの空き地で腰を落ち着かせた。
「ビルット、お前、大丈夫か?」
「ギニンに心配されるとは、おれ、そんなにやばいかな・・・。」
「ずっと震えてたぞ?今は・・・大丈夫か・・。何かあったのか?」
「あまり、記憶はないんだが・・・足がすくむんだ。」
「昨日はメイドさんに担ぎ上げられてたぞ?」
「あのメイドさん・・・多分、もと冒険者だ。ものすごく強い、と思う。」
「強いと言えば・・・。ビルット、コーギってどのくらいの強さなんだ?」
「コーギ?一応、女剣士は目指していたからな。毎日の素振りと筋トレは欠かしていないと思う。俺と一緒で実践経験は極端に少ないけどな。」
「・・・そうか。」
「なんで今、そんな事を聞くんだ?」
「・・・なんとなく・・・だ。」
「それはそうと、これから武器屋に行かないか?まだ武器を受け取ってないだろ?」
「そうだな。ギニンは?」
「俺は、もう貰ってる。3日目に。」
「そうか、お前の強制労働は2日間だけだったな。・・・いいな。」
「ま、ぁ、このナイフ一本ですよ?」
「いいナイフ、なんだろうが・・・。」
「俺の強制労働って、モーニングスターの価格分なのか?」
「そういえば、俺は食堂から、っていうか、メイドさんから小遣い貰ったぞ?武器の差額分か、店側の心付けか・・・。」
「!そうだ、俺もあった。まだ見てないけどな。見た感じ、金35位は有るかもな?」
「俺は、記憶が無くなるくらい働いたんだ。金50は欲しいな!!」
「無いと思いますよ。アニキも・・・。」
サンタスとビルットは目を輝かせながら袋を取り出す。
袋の大きさを比べる・・・。僅かにサンタスが多いようだ。
サンタスがどや顔になる。
そこでビルットが袋の中身をテーブルに出してみる。
「金3、銀11,銅22・・・。微妙な・・・。」
更にサンタスがどや顔になる。
「無様だな!!俺の金額を見て驚け!!!」
ザラッとテーブルに袋の中をぶちまける。
「・・・・銀8、鉄45・・・・。」
「なんか、あれだな・・・。色がきれいだな・・・。」
「まて!何か、手紙が入っている!!」
「その手紙に何か?残りの金額の在処とか?」
「まぁ、待て。」
羊皮紙を麻ひもでくくってある手紙をゆっくりと広げていく。
「サンタス!どうだった?」
「・・・腕相撲の負け分を・・・引いておきました。・・・。お疲れ様!・・・。」
「サンタス、まぁなんだ・・・。サンタス?サンタス!!サンタ~ス!!!!」
ビルットとギニンは気絶したサンタスを抱えて、男爵家へ戻る事となった。




