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しあわせの国  作者: 狼眼
1章 しあわせの国・・グリフ王国・・

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長き祭りの中程で

「いや~。大繁盛だったな~大将!3日目からの客の入り!例年の倍以上だ!!」

「そうだぞ?途中で女の子に瞬殺されてからは、すごい勢いだったな。名演技だった!」

「・・・そ、すか。」

「あれだけまけりゃ、最終日までこき使・・・協力してもらおうと思ってたんだが。もう十分だ。」

「あぁ、あれだけやれば精霊様も喜んだだろう。」

「・・・そ、すね。」

「男爵様から言われてるんだが、これはほんのお礼だ。」

「・・・そ、すね。・・・・・お礼?」

「あぁ、いつも以上の売り上げと賑わいだったからな!頑張ったなら渡してくれ、だってさ。」


目の前には、袋に入れられた金が置かれた。この見た目から考えても、1か月は遊んで暮らせる位はあると見た!


「これで、後半の精霊祭はゆっくりと楽しみな。」

「あぁ、存分に楽しんでやる!!」


袋の中身はまだ見ていないが、この様子だと、金30は、いや、少なくとも金45は有るはずだ!

俺は、疲れも忘れて露店を出た。調子のいいおっさん2人が笑顔で見送ってくれている。良い、人たちだったな。・・・なんて、思わないからな!!!




「ビルット君!ビルット君!!意識はある?」

「ふぁい、いらっしゃ!なにしましょ。」

「ビルット君、今日はもう店じまいだ。食材が無くなったんだ。君のお陰で沢山の人たちに食事を提供することが出来たよ。ありがとう。」

「ふぉ~、エール2つですね。少々おまちくらさい。」

「ビルット君!終わりだよ、終わり!!」


「・・・・どんな働き方させたんですか?・・・皆さん、今年も無茶しすぎです。」

「いやぁ、この人、すごく頑張るから・・・・。なんか、いいかな?って。・・・でも、神官様が考えるほど、無茶なことはしてませんよ?」

「はぁ・・・。もう少し術を施しましょうか。」


「どうも、お迎えに上がりました。」

「あぁ、男爵様の所の、メイドさん・・・。えぇっと・・シーリスさん!いつもすまないね。もう回復してると思うんだけど・・・。これ、頑張ったお駄賃ね。渡しといて?」

「畏まりました。男爵様にも報告しておきますね。」

「頼んだよ!ありがとね!」


はぁ、この人はこういう仕事に向いてないわね。ゆっくりと自分のペースで働く冒険者がお似合いだわ。

とりあえず、男爵家まで連れて行かないと・・・。

シーリスは、ビルットを右肩に乗せ、荷物でも運ぶかのように男爵家へ向かう。


「ビルット様。お風呂場につきましたよ?」

「へらしょー!エール!えーる・・」

「酔っぱらっているのかしら?」


シーリスは、ビルットを裸に引ん剝くと、洗い場に放り投げる。


「では、洗いますね。」


手桶で湯を汲み、ビルットにかける。モップに海藻の粉を付けビルットを洗う。

海藻のねばねばが汚れを落とし、肌もきれいにするのだという。

再度、手桶で湯を汲みビルットにぶちまける。


「では、乾かしますね。」


「揺蕩う風の乙女よ・・この者に・・風の抱擁を・・。」


ビルットは風の精霊の力で空中へ浮かび、取り巻く風の帯が水分を取り除いていく。


「ありがとう、風の乙女よ。」


シーリスは素早くビルットにバスローブを着せて、肩に担いで客室へと向かう。

ベッドに放り投げられたビルットは、幸せそうな顔で眠りに落ちた・・・。


「全く、男の方って、なんでここまで無茶するのかしら・・・。」


相手が男爵であればもう少し丁寧に対応したのだろうが、あくまで客人。主人とは対応が違っても仕方がない。ここまでしてもらえるだけでも、ありがたく思いなさい!

と、心の中でつぶやいて、シーリスは客室を後にした。

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