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しあわせの国  作者: 狼眼
1章 しあわせの国・・グリフ王国・・

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洞窟の奥の微睡み

「・・・・という事は、男爵はそこまで精霊術に特化しているわけではないのですね。」

「まぁな、こいつからはよく、器用貧乏だって言われるが、そうでは無くてな。俺の希望を突き詰めたら精霊の力が必要だっただけだ。」

「実際どのくらいの力があるのですか?」

「ゴミだ。」

「ひど!ガーラは極端だから気にすんな?・・・そうだな。精霊術としては、精霊力による治癒や治療がもう少しで出来そうな位だな・・・。なんだよ。」

「雑魚。」


「アルバート、友達は選べよ?」

「善処します。」


昨日は途中で男爵がいなくなったので、今日は色々と聞いてみたいと思う。


「器用貧乏って事は、剣士と精霊術師だけじゃないんですよね?」

「まぁな。教会への寄付と神への祈りを欠かさない俺は、見習い神官程度の神の奇跡が使える。」

「それもデックに劣る。もっと精進しろ。」

「他には?」

「あとは、遺跡探索で必要だったから、駆け出しメイジくらいの術は、がんばれば使える。」

「それこそ嫁の足元にも及ばんがな。」

「アルバート。小遣いやるから、一緒にこいつを黙らせないか?」

「ロクな装備を持ってきていないお前が、俺にかなうのか?」

「嫌な奴だ。」


喧嘩するほどに、とは言うが、ガーラさんは男爵の事を「友人」と呼んでいた。

根っこの所では仲がいいのだろう。


さて、昨日の場所にたどり着いた。・・・?昨日よりも臭くない。空気が澄んでいる様にも思える。


「それは、お前が風の精霊と木の精霊に強く働きかけたからだ。」

「?あまりよくわかりませんが。」

「それでいい、今は。」

「さぁ、やろうぜ!」

「よし、今日は俺たちも力を使う。だから、倒れるまで精神力を消耗する必要はないからな。」

「わかりました。」


俺とガーラさん、男爵は、岩で出来たテーブルを囲む様に座り、男爵がテーブルに石を置いた。魔晶石だ。


「この魔晶石は?何をするのですか?」

「精霊が好むんだ。・・・この魔晶石を精霊が取り巻き、変化させた結果が精霊石になる。今日は精霊に自由にしてもらおう。」

「よし、始めよう。」


ガーラさんが目を閉じると、体から緑色に光る湯気の様なものが出てきた。男爵からは白い光が・・・。

俺も目を閉じて、昨日の様に集中してみる。

まだ、変化はない。・・・難しいな。


「小僧、焦るな。自然体だ。」

「はい。」


俺は目をつむり、昨日の様に何も考えない事にした。





爽やかな風・・・緑の香り・・・・水のせせらぎ・・・・。

目を閉じて集中していると、有りもしないものの感触が感じられる・・・。


瞼を閉じてはいるが目の前が少し明るい・・・。

どうなっている?


うっすらと目を開けてみる。・・・そこには・・・。


洞窟の中とは思えない程の明るさであり、辺りには草が生えている。爽やかな風が頬を撫で、小さな小川が近くを流れる・・・。


『!なんだここ・・・。』


近くには男爵とガーラさんが目を閉じて座っている。


『いま、ここは、精霊界に繋がっている。あまり動くなよ?帰れなくなるぞ。』

『脅かすなガーラ。大丈夫だ。ただ、心を高ぶらせるような事はするなよ?精霊界が遠のくからな。』


『はぁ。』


俺たちの周りは、外の世界の様になっているが、光る玉の様な物が漂っている。

あれが精霊?・・・実態はあまり見えない。おぼろげな丸い物体が・・・・。


『これが水の精霊。こっちが木の精霊。おれの近くに多く集まるのがこの2種類だ。』

『俺は、光の精霊。火の精霊が多いかな。』

『小僧は・・・精神の精霊・・水の精霊・・・か。』


人によって好みが変わるのか。

俺は、精神の精霊と水の精霊が多いのか。


『今日は、だぞ?日によって、気分によっても変わる・・・覚えておけ。』


精霊さんって気ままなんですね。

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