武器マニア
「なるほど・・・。ゴーレムに棍棒で向かっていったのか・・・。無謀な。」
「仕方なかったんだ!棍棒しか持ってなかったんだから!」
「まぁ、お前の棍棒、どちらかと言えばメイスに近い武器だったな。鈍器が良いのか?」
「いや、俺の力が活かせる武器であればなんでもいい。」
「そうか・・・。なら・・。」
そう言うと男爵は、カウンター横の棚へ向かい、武器を数本持って来た。
「先ずはこれ、フレイルだ。威力はそこそこ、長い持ち手から鎖でつながれた錘で攻撃するから距離は稼げる。一応、遠心力も加算して威力を上げる事が出来る。
次にこれ、ロングハンマー。威力は抜群!使いやすく持ち運びも楽だ。ただ、一撃は重いが連撃に向いていない。
もう一つがこれ、モーニングスター。フレイルとロングハンマーとの合わせ技の様なものだが、鎖の先端には棘付きの鉄球が付いている。遠心力、破壊力、殺傷力は十分。鉄球を操りきる筋力があれば、相手の防御力を無力化することも可能だ。」
男爵が急に説明口調になった。少し早口で、目がキラキラして少年の様だ。
気になった事があるから、店のおっさんに質問してみた。
「ちなみに、この店って、オーナーは男爵ですか?」
「?なぜわかった?オーナーというよりも、出資者といった方が正しいかな?」
「だから・・・納得です。」
そうか、武器マニアは、男爵だったんだ・・・。
サンタスが言葉を挟む間もなく言い寄られている。
「お前の筋力なら、ロングハンマーもありだな。武器だけでなく、日常的にも使うことが出来る。ぶん回すことを考えるなら、モーニングスターもありだな。」
「ちょっと試してみていいか?」
「ああ、そこの出口から中庭に出ると訓練所になってる。やってみな。」
サンタスは2つの武器を持って、楽しそうに訓練所に向かった。
これで、やっと武器の説明が終わった。意外と早く終わったな。
「そしてお前!ブロードソードを使っていたお前だ。実践不足のお前には・・・。」
男爵は、階段の裏側へ回り込んで武器を取りに行った。
「おい、ビルット、お前も買わされるぞ?」
「いや、金無いし。」
「これなんかどうだ?まずは手軽にスピア。中距離攻撃手段として、敵の懐に入り込まずに攻撃が出来る。突きが主体になるため、横からの力に弱い弱点がある。
次にグレイブ、突きだけでなく、切るも出来る長物だ。遠心力を使って切り払う事も可能だ。
そしてハルバード。グレイブの機能に引っ掛ける機能が付く。兜を剥がしたり、盾を崩したりと、器用に使えばかなり強い。しかし、いずれの槍も懐に入られたら苦労する。近距離を考慮した槍術も開発されているから、技術を磨けば活きてくるはずだ。
俺のお勧めはグレイブかな。集団戦でないのであれば、崩しはあまり考えなくてもいい。予備武器として長距離用のジャベリン系の短槍や、近距離を考慮してショートソードを身に着けるといいだろう。どうだ?」
「どうだ?って、どうなんでしょう?」
ビルット、俺の方を見るな。俺も分からん。マニアに喋らせると、早口で話が長くなる。
俺はビルットに目で合図を出した。
「あ、俺も試しに行っていいですか?」
おい、そうじゃない!逃げる気か!!ビルット~!!
「さて、次はお前だ。お前はスカウト系だな。筋力も無い。となると・・・。」
今度はカウンター前へ俺たちを連れて行った。
「先ずは、ダガーは常備しろ。切る、刺す、投げる、払う、なんでもできる。お前の鋲のコントロールを見ればこれは必須だ。
そして、グラディウス。普通の短剣よりも幅広で、投擲物を防ぎやすい。防御も考えた武器だ。ファルシオンでも良いが、お前の機動力を落とすことになるからお勧めはしない。
で、クリス。細身の剣で美麗な短剣だ。大きさは様々だが、お前は手首から肘まで程度の刃渡りでいいだろう。まぁ、実践で飾りはいらないがな。
あとは、カトラスかシミター辺りか。曲刀か直刀、後は趣味だな。」
「私も、試してくる。」
ギニンも逃げた。




