楽しい情報収集
「強い男?そりゃぁ、何と言ってもガーラさんだろう。なんでも最強の精霊を呼び出して使役できるらしいぞ?そんな事より、兄ちゃん!このなんでも入るバッグを買っていかないか?」
「そ、そうか、ありがとう。そのバック、きっと何でも入るんだろうな~。まぁ、色々見てからにするよ。」
「強い男?なら、デックさんだろ!その昔、短剣一つでドラゴンにとどめを刺したらしいぜ?どうだい?その短剣と同じモデルのこのグラディウス。中々の逸品だと思わないか?金120でいいぜ?」
「ああ、俺は短剣は使わないんだ、連れにナイフ使いがいるから聞いてみるかな?」
「最強?そりゃハンナさんだろぅ?女性冒険者でメイジ、最強の魔術を使いこなすらしいな。つい最近も町の外れで巨大な火柱が上がっていたぜ?大人しそうな見た目なのに・・・怖いんだぜ。!絶対に言うなよ!な!俺は関わらないから!言うなよ!!」
「いや、大男を探して・・・あぁ、逃げて行ってしまった。・・・なんだこの町は。最強だらけじゃないか・・・。」
こうすぐ昼時になるというのに、有力な情報ばかりで絞ることが出来なくなっている。聞いただけでも5人から6人は最強がいるようだ。短剣でドラゴンを倒す?最強の精霊を使役?眉唾物の夢物語を平気で語る住民たち。あ、でも女メイジの話は、本気で怖がってたな。あれは実在するのか・・・関わらないようにしよう・・・。
あと一人くらい話を聞いてから集合場所に向かうか。
「「すみません、ちょっとお伺いを・・・。」」
「ビルット!」「アル!」
狭い町だけあって、ビルットとかち合ってしまった。
「なんだね?お兄さんがた。聞きたいことがあるのかね?」
声を掛けておいてなんだが、怪しい男だな・・・。白い帽子にまる眼鏡、付け髭みたいなひげ・・・。まぁ、とにかく情報収集だ。
「あぁ、失礼。この辺で最強っていえばどんな人がいる?」
「ぼろマントを羽織った大男だ、知らないか?」
「同時に聞かれても・・・。まぁ、その人なら。」
「「知ってるのか!!」」
「当たり前だろ?この辺境の地で最強は領主様だよ。聞いたことないのかね?剣一つで受勲するに至り、ちょうど20年前にこの辺境の地の領主となったお方だよ。てっきり兄さんがたは、この街の精霊祭に来たのかと思ったが、違った様だね。」
「領主様?男爵の事か?」
「もちろんそうだよ?強く優しく、慈悲深いお方だ。精霊祭は10日ほど続くから、男爵にお会いすることもあるかもしれないな。まぁ、あの方はいろいろな意味で目立つから、すぐにわかると思うがね。」
そうか、男爵・・・。確かに噂は聞いたことがある。世界中を冒険して回り、古代遺跡を踏破し、街を興した。てっきり、作り話だと思っていた・・・。本当の事だったのか、誇張された物語なのか・・・。だとすると、精霊使いやドラゴンの話も本当?なのか?・・・まさかな・・・。そんな最強がゴロゴロいてもらっては困る。きっと男爵の昔話から生まれたおとぎ話だろう。
「で、男爵はどこにいるんだ?」
ビルットは更に食い下がる。
「私が知っていると思うのかね?私も商人の端くれ、売れる情報なら売ってあげようではないか。いくら出せるのかね?」
「こいつ!いきなり金かよ!」
「はした金はいらないのだがね、タダで貰った情報を信じれるのかね?兄さん?だったら信じれる情報をはした金で買った方が、安心できるのではないかね?その安心をその金で買うのだよ。」
「さぁ!」とただならない気迫で迫ってくる。確かに、言い分は分かる。金か・・・。あんまり持ってないんだよなぁ。
「ビルット、いくら出せる?」
「金3,銀11,これが全財産だ!下手な情報は命を落とすと思え!!」
「こっちの兄さんはおっかないね。よかろ。金1で売ろう。」
「ここはうるさいから」と飲み物を売っている店の裏手で話を聞くことになった。




