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しあわせの国  作者: 狼眼
1章 しあわせの国・・グリフ王国・・

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洞窟を出るとそこは

洞窟をある程度進むと、松明が消えてしまった。しかし、天部に空いた隙間から光が差し込んでくるため、替えを用意するまでもない明るさとなっていた。

光が差し込む角度から考えると、今は朝なのだろうか?鎧の騎士に眠らされた為にはっきりとは言えないが、かなり長い間ぶっ倒れていたのかもしれない。


「出口は近いぞ!」


ビルットが今にも走り出しそうな雰囲気で、興奮気味に俺たちに伝える。まぁ、見ていればわかるのだが・・。

ここまでくると、道が多少整備されており、出口に向かっての緩い上り坂も階段状になっている。


洞窟を抜けると、爽やかな風が気持ちよく、淀んで臭い洞窟内の空気を洗い流してくれるようだ。ただ、爽やかな空気に交じって、異様な匂いも感じる事が出来る・・。一体何の匂いだろうか?


「潮の香りがするな・・・。」

「潮?なんだそれ?」

「あぁ?海の香りがするって事だ。そんな事も知らねぇのか?」


サンタスに馬鹿っぽく言われるのはちょっと悔しい。


「海か~。見たことないな~。見に行きたいな!」

「馬鹿かお前!コーギが先だろ!!状況を考えろよ!」


ビルットにまで馬鹿にされてしまうとは・・・。確かに空気が読めてなかったな。

だが、海を見てみたいのは本当だ。今まで外の世界を殆ど見たことがない。新しい事ってわくわくするじゃないか。それに、コーギは多分、大切にされていると思うんだ。


「あれは、煙か。町が近いな・・・。」


焦って進もうとするビルットをなだめようとするが、空気読めだとか、分かってないだとかで逆効果だった。ならば先にコーギを探すまでだ。


洞窟を出てからは順調な行程だった。道は整備されており、獣の侵入を防ぐような柵も設けられている。大きな林道ではないが、王城周辺よりも手入れが行き届いていると言えるだろう。


「で、ビルット。急ぐのは良いが、どこを目指すんだ?」

「決まっている!・・・門兵に、聴く?とか。」

「・・・まぁ、順当だな。」


小走り状態で少し進むと、林を抜けて視界が一気に広がった。

朝の食事の支度でもしているのだろうか、家々からは煙が立ち上り、ここからでも町がにぎわう声が聞こえてきそうだ。


「ビルット!大変だ!!」

「なんだ?」

「門兵が・・・。居ない。」

「も・・・門すら無い・・な。


よほど平和な地域なのか、街を守る塀も無い。遠見の塔が数か所見えるが、他に大きな建物も存在しない。


「ものすごく、平和な町っぽいな・・・。ほんとにコーギはここに居るのか?実は騙されて、まだ洞窟の中で苦しんでいるとか・・・。あの大男に辱められているとか・・・。」

「お前も納得しただろ?あの男はそんな事はしないさ。あれだけ強い男はそうは居ないだろう。町の人に聞けばすぐ分かるんじゃないか?」

「そう、だよな!そうだよ!多分、あの大男は良い奴なんだ、と、思えるような、気が、しないでもないかもしれない・・・。」

「おまえ、一人で考え事をすると、ダメな方ばかりに考えてしまうタイプだな?コーギみたいなさばさばした奴と一緒でないと、心を病んでしまうぞ?」


そんな事を放しながらも進んでいると、町に足を踏み入れる距離まで進んでいた。

町の中は朝から賑わいを見せていた。さほど大きな町ではないが、多くの人が行きかい、露店が並び、楽し気な音楽や、客を呼び込む声が響き渡っている。


「よし、聞き込みを開始だ!」

「まて!昼時にここで合流しよう。それまでは散会して多くの情報を集めた方が良いと思う。」

「そうだな!俺様の情報収集能力を見て驚け!」

「さすがアニキ!!」

「・・・情報収集能力は見えないと思うが・・。ま、日が真上に来た時だ、忘れるなよ?ギニン、頼んだぞ!」

「俺が頼りないってか!」

「違うって、ギニンはそういうの得意だろ?だからさ。」

「ふん!」

「アニキ、行きましょう。」

「待ってろ!コーギ!!」


それぞれが、思い思いの方法で情報収集をすることになった。まぁ、そんなに時間はかからないだろうがな・・・。

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