門前の闘い
「加勢する!」
そう声を張り上げて、コーギが瓦礫を飛び越えた。
俺たちも続いて門外へ出る。
目の前にはブレードウルフが約30匹・・・。門番の前にも30匹前後・・・。
「何しとんじゃ!おっさん!!」
「今は目の前に集中だよぉ?」
おっさんは塀の上から、ブレードウルフに向けて矢を飛ばしている。命中率は非常に高く、1~2撃でブレードウルフを倒している。
「よし!連携!サンタス前衛、俺とビルットで左右を守る!ギニンとコーギは後ろを頼む!」
「了解!」
「命令すんな!」
応えは違えど、皆はしっかりと行動に移す。
「サンタスの一撃を避けた奴を俺たちで討つ!」
「どぉりゃ~!!!」
サンタスの棍棒は地面を大きくえぐった。その攻撃を避けたブレードウルフに、俺とビルットで一撃を加える。サンタスが弾き飛ばした砂で目をやられたウルフもいるようだ。
その間にもおっさんの矢は容赦なく降り注ぐ。
「二撃目~!っりゃ~!!」
俺もビルットも剣は当たるが、致命的なダメージを与えられていない。只々、おっさんの狙撃の間、敵を引き寄せる撒き餌状態だ。
「コーギちゃん!そろそろだよぉ~!」
おっさんが森の方向のブレードウルフ共を倒し切った様だ。
「行くわよ!」
サンタスの大振りでけん制しつつ、森の方へと移動を始める。おっさんがすべてのブレードウルフを倒し切る前に、森へ逃げ込まなければならない。
「そろそろいけるよ!」
ビルットが合図を出すと、俺たちは森の奥へ走り出した。俺たちを追ってくるブレードウルフを確認するが、その奥に壁から飛び降りたおっさんを確認する。
「止まるな!走れ!」
俺は全員に声をかける。
次々にブレードウルフを倒していくおっさん。ついには俺たちに追いつきつつあったブレードウルフも倒し切った。
「おわった・・・。」
俺は、安堵のため息をつきながら足を緩める。
ヒュ!
俺の頭の上を通り過ぎる何かの音がした。
「あのおっさん!ほんとに俺たちを殺す気か!!」
「ばかやろぅ!次に会ったらぶん殴てやる!!」
「慌てないの!よく見なさい。」
目の前の木に刺さった矢を見ると、手紙のようなものが結び付けてある。
「手紙・・・。」
コーギが手紙を外し、内容を読み始める。
「・・・き、汚い字!・・。えぇっと。この森をまっすぐ太陽が沈む方向へ三日進む、と、崖にぶつかる。右側が死の森、左側が洞窟、好きな方を選べ。・・だって。」
「そんなの選択の余地があるのか?洞窟一択だろ!」
「一択だろ!」
「死の森、選べるのか?」
満場一致で洞窟ルートを選択した俺たちは、一定時間毎に方角を確かめつつ森を進んだ。
「獣除けの香が所々に焚いてあるな・・・。これでブレードウルフを呼び寄せたんだろうな。」
「おかげでこの辺りは安全に進めそうだな・・・。ん?ビルット、何してんだ?」
「松明を作っている。三日後には洞窟だろ?俺たちは今、松明の用意が無い。今から作っておかなくては明かりがなくなるぞ?」
ビルットは木の枝と蔦を使って器用に松明を形成している。
「そんなのどこで覚えたんだ?」
「俺はさ、門前の松明が燃えるのが好きで、よく見に行ってたんだ。そしたら、素材や作り方がだんだんわかってきたんだ。こうして・・・、こうして・・・。」
あっという間にビルットは松明を作り上げた。
「一人一つは作っておこうぜ!」
「作るぜ!」
なんだか盛り上がっている人がいるので、松明を作りながら進むことになった。
松明が完全に使用できるようになるには、三日は乾燥させなければならないので、ギリギリ間に合いそうだ。
「ビルット!これでどうだ?!」
サンタスがほうきの様な松明を作り上げた。
「サンタス。それじゃぁすぐに燃え尽きるよ。中身をしっかりと詰め込むんだ。この木の皮を、こうやって・・・。ほら。」
「ほい完成!」
こいつ、ビルットに作らせたな・・・。セコイ。




