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しあわせの国  作者: 狼眼
1章 しあわせの国・・グリフ王国・・

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門前の闘い

「加勢する!」


そう声を張り上げて、コーギが瓦礫を飛び越えた。

俺たちも続いて門外へ出る。

目の前にはブレードウルフが約30匹・・・。門番の前にも30匹前後・・・。


「何しとんじゃ!おっさん!!」

「今は目の前に集中だよぉ?」


おっさんは塀の上から、ブレードウルフに向けて矢を飛ばしている。命中率は非常に高く、1~2撃でブレードウルフを倒している。


「よし!連携!サンタス前衛、俺とビルットで左右を守る!ギニンとコーギは後ろを頼む!」

「了解!」

「命令すんな!」


応えは違えど、皆はしっかりと行動に移す。


「サンタスの一撃を避けた奴を俺たちで討つ!」

「どぉりゃ~!!!」


サンタスの棍棒は地面を大きくえぐった。その攻撃を避けたブレードウルフに、俺とビルットで一撃を加える。サンタスが弾き飛ばした砂で目をやられたウルフもいるようだ。

その間にもおっさんの矢は容赦なく降り注ぐ。


「二撃目~!っりゃ~!!」


俺もビルットも剣は当たるが、致命的なダメージを与えられていない。只々、おっさんの狙撃の間、敵を引き寄せる撒き餌状態だ。


「コーギちゃん!そろそろだよぉ~!」


おっさんが森の方向のブレードウルフ共を倒し切った様だ。


「行くわよ!」


サンタスの大振りでけん制しつつ、森の方へと移動を始める。おっさんがすべてのブレードウルフを倒し切る前に、森へ逃げ込まなければならない。


「そろそろいけるよ!」


ビルットが合図を出すと、俺たちは森の奥へ走り出した。俺たちを追ってくるブレードウルフを確認するが、その奥に壁から飛び降りたおっさんを確認する。


「止まるな!走れ!」


俺は全員に声をかける。

次々にブレードウルフを倒していくおっさん。ついには俺たちに追いつきつつあったブレードウルフも倒し切った。


「おわった・・・。」


俺は、安堵のため息をつきながら足を緩める。

ヒュ!

俺の頭の上を通り過ぎる何かの音がした。


「あのおっさん!ほんとに俺たちを殺す気か!!」

「ばかやろぅ!次に会ったらぶん殴てやる!!」

「慌てないの!よく見なさい。」


目の前の木に刺さった矢を見ると、手紙のようなものが結び付けてある。


「手紙・・・。」


コーギが手紙を外し、内容を読み始める。


「・・・き、汚い字!・・。えぇっと。この森をまっすぐ太陽が沈む方向へ三日進む、と、崖にぶつかる。右側が死の森、左側が洞窟、好きな方を選べ。・・だって。」


「そんなの選択の余地があるのか?洞窟一択だろ!」

「一択だろ!」

「死の森、選べるのか?」


満場一致で洞窟ルートを選択した俺たちは、一定時間毎に方角を確かめつつ森を進んだ。


「獣除けの香が所々に焚いてあるな・・・。これでブレードウルフを呼び寄せたんだろうな。」

「おかげでこの辺りは安全に進めそうだな・・・。ん?ビルット、何してんだ?」

「松明を作っている。三日後には洞窟だろ?俺たちは今、松明の用意が無い。今から作っておかなくては明かりがなくなるぞ?」


ビルットは木の枝と蔦を使って器用に松明を形成している。


「そんなのどこで覚えたんだ?」

「俺はさ、門前の松明が燃えるのが好きで、よく見に行ってたんだ。そしたら、素材や作り方がだんだんわかってきたんだ。こうして・・・、こうして・・・。」


あっという間にビルットは松明を作り上げた。


「一人一つは作っておこうぜ!」

「作るぜ!」


なんだか盛り上がっている人がいるので、松明を作りながら進むことになった。

松明が完全に使用できるようになるには、三日は乾燥させなければならないので、ギリギリ間に合いそうだ。


「ビルット!これでどうだ?!」


サンタスがほうきの様な松明を作り上げた。


「サンタス。それじゃぁすぐに燃え尽きるよ。中身をしっかりと詰め込むんだ。この木の皮を、こうやって・・・。ほら。」

「ほい完成!」


こいつ、ビルットに作らせたな・・・。セコイ。


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