寝る前の微睡み
俺たちは、木ノ葉亭での夕食を終えた後、ルーナが確保した部屋で朝まで休む予定だ。
とはいえ、色々な事が起こりすぎた為か、疲れてはいるが寝付けない状態であった。本日沢山の睡眠をとったサンタスとギニンは、闇に紛れて宿舎へ帰るといって外へ出た。
俺は、自分の荷物はほとんど持って出ており、宿舎には着替えが少しあるくらいなので、今は休むことを選んだんだ。
「コーギ、寝たか?」
ほぼ寝ていない事を確信しながらも声をかけてみる。
「いいや、考えることが多すぎて・・・。」
「ビルットは?」
「俺も、だ。」
「そうか、少し考えていたんだけど、俺はこの街を出ようと思う。ルーナのお陰で知らない事が多すぎるってわかったら、なんだか怖くなって・・。」
「私も、この街をでて、まずは故郷の両親の安否を確認したい。」
「そうだな・・・。コーギの記憶操作って、悪意があるよな。」
「実際どうなんだ?剣士は目指していたのか?」
「ええ、故郷の領主様が魔法剣士だったんだ。だから、私も剣士になって冒険したい、って思っていた。決して軍の騎士になるような夢は抱いていなかった。」
俺の質問を機に、コーギのテンションが上がってきた。このまま叫ばれても厄介なので話題を変えてみよう。
「そうか、その領主さんはどんな人だったんだ?」
「すごいお方だ。平民の出身で冒険者を生業としていて、数々の冒険を成功させ、ドラゴンを退治したkともあるらしい。剣士でありながらも精霊魔法に精通し、森の民とも仲が良かったらしいな。冒険を続ける内に功績が認められ、男爵号とささやかな領地が与えられたという話だ。」
森の民?このワードが妙に引っかかる・・・。
記憶の中の師匠とメグさんの話に出てきた、魔獣襲撃に関わっている可能性がある人たちの事か!
俺は、平静を装いながら、もう少し話を掘り下げてみる。
「へぇ、森の民か、会ったことないな~。コーギは会ったことはあるのか?」
「森の民か・・・。私は無いな。男爵様は何度も交流していたはずだから、男爵領の近くに住んでいると思うんだが・・・。」
「俺も、話でしか聞いただけだな。なんでも森の民全員が精霊使いで、森と対話ができるらしいな。想像してみると、なんか怖いな。森の中でぶつぶつ独り言を言ってるやつ・・・。」
「そうだな・・。」
「まぁ、あまり人前には出てこないらしいから、会ったことがある方が少ないと思うよ?精霊魔法には、姿を隠す魔法もあるくらいだから・・・。」
森の民って、話が通じるのだろうか?メグさんが話していたイメージと、ビルットが想像した内容を踏まえると、森で孤独に独り言をつぶやく偏屈なテロリスト、って感じだろうか?
出会う前に襲撃されること間違いないな・・・。
「わたし、一度は会ってみたいなぁ。」
「怖くないか?」
「私の中のイメージとは違うもの。」
コーギのイメージを崩す様で悪いが、俺の記憶の中の話もしておいた方が今後の為だろう。
「なぁ、さっきは俺の記憶について詳しく話さなかったけど、記憶の中に森の民の話があったんだ・・・。」
「へぇ、どんな事?」
「ルーナが以上に反応していたメグさんって人の話があっただろ?あの人と俺の師匠の会話の中で、師匠が言ってたんだけど・・・。」
「何よ、早くいなさい?」
「ん、こう言ったんだ。「メグ、今回のこれ、やはり、森の民が絡んでいるのか?」って。そしたらメグさんが「おそらく」と答えていた。」
「どういう事?森の民が魔獣をけしかけているって事なの?」
「そういうわけじゃなくてだな、その続きで「王国の責任、影響がありすぎる」って言っていたから、森の民が悪いって訳でもないらしいんだ。」
「あなたはどう思うの?」
「俺は、分からない・・・。街を出る前に調べなきゃな・・・。」
俺は、記憶の中で聞いた師匠の情報のやり取りについて思い出していた。




