暴かれた真実
勇者パーティーのルーナが、コーギにやさしく語り掛ける。
「どぉ?思い出した感想は?」
「そんな場合ではない!母の薬、急いで母の薬を届けなきゃ・・・。」
おもむろに立ち上がり、外へ向かおうとするコーギをルーナが呼び止める。
「一体何年前の話よ。悪いけど、今動いても無駄よ。いったん落ち着きなさい。」
ほらっ!といってコーギを椅子に座らせた。
「この街にあなたを探しに来る人がいないって事は、悪く思わないでね。
多分、そういう事よ・・。」
コーギは焦りと怒りと絶望に震えている。
「実はね、私たちは王国に呼ばれて来たけど、特に何もされなかったの。おそらく呪いをレジストされることを恐れたのね。だから、都合よく私たちを討伐に向かわせたんだわ。でも、その間もずっと監視の目は合ったの。だから下手に動けなかったってわけ。こんな騒動がなければ、こんな風に人と接触することはできなかったでしょうね。」
そう言うと、残りのエールを一気に飲み干す。
「よく考えなさい、罪人の記憶を消して元の日常に戻すって、おかしいでしょ?あんたたちの話を聞いてさらに気持ち悪くなったわ。
例えば、暴力事件があって、加害者の記憶が消されたらそれで丸く収まる?わけないでしょ!一般市民もみーんな、ある程度の呪いにかけられてんのよ。」
俺たちが当たり前だと思っていた事をルーナは簡単に否定した。確かに、一般の人は・・・。どうなるんだ?そんな噂も聞いたことがない・・。はずだ。
「コーギ?あんたは冷静になりなさい。そして、何らかの理由をつけてこの王国から出るの。故郷に戻るのもいいと思うわ。焦っても悪目立ちするばかりよ。」
「少し、時間をくれ・・・。」
コーギは少し水を飲んで俯いた。
「で、次はだれにする?コーギちゃんを見て怖くなった?」
「多分、コーギと同じくらい拘束が少ないのはリンだろう。次が俺かビルットかな?」
「俺はそこまで多くないぞ!アルの方が多いだろ!」
「サンタス・・・。お前は俺の倍以上だ・・・。あとギニン、お前もサンタスと一緒に入ることが多いから、俺以上だ。」
「アニキ~。」
「じゃぁ、次はリンちゃんでいいのね・・・。リンちゃん、頭をこっちに・・・。」
ルーナはリンにもディスペルマジックを使い、解呪を行った。
「いたたた・・・。」
「光の命の根源よ、かの者を癒せ・・マインドヒール・・。」
「ふぅ、楽になったぁ、ありがとうございます!」
「どぉ?何か思い出した?」
「あっ、ほんとだ!なんで忘れてたんだろ。」
「何を思い出したんだ?」
「・・・魔術の使い方。」
「はぁ?なんのメリットがあるんだ・・・。」
「たぶんねぇ、魔術を使い続けると、魔力と魔術抵抗力が上がるのよ。魔術適性検査を行いつつも魔術抵抗力の上昇を抑えてたのね。」
「じゃぁ、王国軍の魔術部隊はどうなるんだ?」
「それこそマインドコントロールでしょ?」
「えげつねぇ・・・。」
どうやらリンは、素質はあるが洗脳には至らなかったらしい。従軍させてからじっくりと洗脳するのだろうか?
「ほんっと、おぞましい国よね・・・。簡単には死ねない、殺されない・・。裏を返せば、死ぬまで操られる・・・。それこそ【死遭わせの国】よね・・・。」




