それはさておき・・・
勇者パーティーのルーナから、意味不明な発言があった後、数舜の間の後に疑問をぶつけることが出来た。
「呪いといっても、体調に変化はないし、何の影響もないと思うんだが。しかも、俺たち全員がって、信じがたいですね。」
「そうね、まぁいいわ、この戦いが終わったら教えてあげる。勇者パーティーが戻ってきたからには長引きはしないわ!」
ルーナが城の方に目を向けると、白い光の柱が、明け方の夜空に輝いていた。
「あは、もう佳境のようね!私も失礼するわ!」
ルーナは城に向かって走り出したが、すぐにこちらに振り返った。
「えっと、昼前に、【木ノ葉亭】までいらっしゃい!君たち全員でね!」
今度こそルーナは戦火の奥に消えていった。
「サンタス、大丈夫か?」
「あぁ、いや、ちょっときつい。骨がいかれているかもしれない。」
つらそうな表情でギニンの肩につかまっている。
サンタスを木陰に連れていき、みんなで周囲の警戒を行いながらも、勇者パーティーの話で盛り上がっていた。
「さすが勇者パーティーね。遠くの魔獣を一発で仕留めてたわ!」
「残念。ちょうど見ていなかった。アルの目の前の魔獣が燃えたのは見たけどね。」
「あのディグって人、すごい体格でしたよ、アニキ。」
「ィテテ。見る余裕なんてねぇよ。」
「私もあんな魔術使えるのかな~。」
「練習あるのみだろうな。」
「でも、呪いって何だろう?私たち全員だって。」
「どうだろう。あれほどの実力者が言った言葉だし、嘘っぽくは聞こえなかったけど。」
勇者パーティーの強さを目の当たりにした事で、さっきまでの緊張感が緩み、闘いの最中であることを忘れてしまった。しかし、周囲に魔獣は見当たらず、遠くで魔術が弾ける音が響くばかりであった。
「家、大丈夫かな?」
「そういえば、リンの家の区画は、前回の襲撃でも無事だったよな。今回も角度的に無事だと思うが。」
「それは分からないよ、魔獣だけが家を壊すわけではない。自軍のメイジの高威力魔術で半壊した例もあるらしいからな。」
俺とリンの会話に、コーギが割って入ってきた。
「そういえばコーギの実家はどこらへんにあるんだ?」
コーギも俺たちと同じく軍の宿舎で生活していたため、深く詮索したことは無い。
「私は、森を超えた隣国との国境付近にある男爵領の出身さ。冒険者から成りあがった男爵の領地だから、お世辞にも豊かとはいえないけど、良い街だったよ。町の名前は【リーフ】さ。」
「リーフか、結構遠いところの出身なんだな。国境付近というよりも国境をまたいだ街だったよな。」
「そうだね。いい街だったよ。」
いつの間にか、魔術がはじける音が聞こえなくなっており、人が少しずつ動き出しているようだ。
俺たちは、復興支援を行うために街に入ったが、どうしても「呪い」が頭から離れなかった。
特に体調の変化や行動の制限もない。一体何が「呪い」なのだろうか?しかも、俺たち全員か「呪い」にかかっているなど、認めたくない事だ。
「まずは、軍の本部へ顔を出すか・・・その前に木ノ葉亭だな。」
皆も気になっていたらしく、満場一致で木ノ葉亭に向かうことになった。




