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喜劇・魔切の渡し  作者: 多谷昇太
第二場 和子の自宅

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風呂から上がる天使と悪魔

悪魔「おう、そうだ。そう云やあ俺も長居はできねえんだ。もうそろそろお米婆の魂の緒を切りに行かなきゃならねえ。ここらでお暇するか」

良夫「た、助かります」

天使「へば(東北弁:それじゃあ)悪魔、良夫さんにかけた五官コントロールの解除も忘れるでねえぞ。こったらば話、良夫さんの頭ん中に残ってたらハア、ど偉いことになるけん」

良夫「なんばですか?天使さん。その、ご、五官コントロール解除というのは」

悪魔「ガハハハ。ばかやろ、おめえの博多弁だか何だか、良夫に移っちまったじゃねえか。まあ、いいや。とにかくよ、それは心得た。それじゃ行くか。魔力、五官コントロール解除。そして戸閉め。陣!……チン列罪でお巡りさんに捕まっちゃあ叶わねえからな。わははは」


良夫、キョトンとなる。上手より黒子が現れて風呂の戸を閉める。


和子「あ、お母さん。外した戸がひとりでに閉まってく」

為子「いいのよ。黒子さんが閉めてるんだから。放っときなさいよ」


黒子ずっこける。為子に両手でファイティングポーズを取りながら上手に消える。


黒子ずっこける。為子に両手でファイティングポーズを取りながら上手に消える。風呂の戸が開いて服を纏った天使と悪魔が出てくる。


悪魔「あー、さっぱりした」

天使「まんず、ありがとうございましたただ。あとは為子さん、良夫さんばよろしくお願いしますだ。(悪魔を指差して)このやろの毒に当たって虚脱状態になってますけん……あ、と云ってもおらたちの言葉はもう通じないんだっちゃ。へば(東北弁:それじゃあ)おらもひとつ天力てんりきをかますだよ。天力、甲斐甲斐しさ。臨(左右の手をうち1組で人差し指を立て合わせる、忍者の手印)!」

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