天使と悪魔の約束
天使「ありがとうございましただ。皆さん。んで、良夫さん……」
良夫「は、はい」
天使「おらは、ハア、いまの歌通りに必ず、ご一家をお守りしますけん。お約束致しますだ。大事な宝物の為子さんと和子さん……特に和子さんをば決してこのやろ、悪魔の自由にはさせません」
良夫「そ、そうですか。なんだか知らないけど、あ、ありがとうございます」
悪魔「なんだとお?かっぺ。和子は俺のものよ。さっきそう云っただろ。おい、良夫……あ、いやさ、良夫お父さん。おめえの娘は俺がよろしく導くからよ、心配するな。この俺様がおめえの義理の息子になってだな、きっと幸せにしてやっから。な?」
良夫「は、はい」
悪魔「いいか、俺の配下になってみろ。ああ?そしたらな、金も地位も思うがままなんだぞ。分かる?だからこんなケチ臭い天使の云う事なんぞ……一切聞くな!」
良夫「は、はい!」
為子「なんですってえ?金も地位も思うがままですってえ……?それは耳寄りな話だわねえ。だったら私、和子をあなたに嫁がせるわよ」
和子「お母さん。悪魔さんも天使さんも、あの2人の声は聞こえないことになってんのよ」
為子「だって、さっきから私たち、合いの手を入れてんじゃないのよ」
和子「だから。もう……(観客に向かって両腕をクロスして)ここの部分、カット。カットです。ね?はい、じゃ天使さんと悪魔さん、続きをどうぞ」
天使「(和子に)引き受けましただ。ほいでまあ、悪魔よ。まんず、好きなことこいとけや。それよっかハア、おらたちゃもうそろそろお暇するだよ。良夫さん、のぼせちゃいけねえし、まんず、ビールさ飲みたかろ?なあ、良夫さん?」
良夫「うっ、ビ、ビールう~っ……!」




