5.美少女→おっさんの場合 その2―4
「そういうことじゃなくて、ルナ様は名乗って欲しいのではないでしょうか?」
「あら、そぅなのぉ~ん? アタシの名前はゴリケルよ、以後よろしくぅ~ん!」
(名前すごいィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!)
さすがにゴリケルは想定の範囲外だった。
「ゴリケルの趣味は私と被ってますからね」
「あら、それはフィリちゃんのタイプが渋すぎるのよぉ~ん! アナタまだ若いんだから、男は自分で育てていくべきよぉ~ん!」
「いや、ゴリケルだって人のことを言えるような年ではないでしょう?」
(いや何歳ィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!)
年齢不詳の男だった。
「それで、お前の見立てではどうなのだ? 彼が伝承上の、伝説の勇者なのか」
「うぅ~ん、そうねぇ。ちょっと待ってて、今ちゃんと視てあげるからぁ~ん」
ゴリケルはもう一度、ルナに顔を近付ける。
(鼻息すごいィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!)
もはや我慢の限界だった。
「あ、あの、ゴリケルさん? こうやっておっさん同士顔を近付けてるの、見た目的にも色々よろしくないですから。少し離れましょう? 冷静になりましょう?」
「シッ。心視の邪魔よ。喋らないで」
(真面目だと怖いィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!)
もはや訳が分からなかった。
元の世界に戻りたいと、今はそれを願うだけである。




