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能力の優と劣  作者: 俊
三章:龍の谷の新伝説編
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[三章-序-終:終結する伝説、今始まる物語]

自らが創り出した悪魔になす術なく殺されていく人間。悪魔との力の差は人間が何人、何百人、何千人、何万人、何億……、どれだけ集まり、努力しようとうまることは無いだろう。悪魔は殺す人を見ることもなく、意識もしていないかのように、まるで呼吸するかのように、憎悪と憤怒を地面に叩きつける。そのついでに人が死んでいるのではないか、そう錯覚しそうな程、悪魔は作業のように人を殺す。人間は悪魔の焔に焼かれ、悶え苦しみ、焼き尽くされて死んでいく。創り出した原因である愚かな人間は災厄を見て、

「本性現したなこの悪魔め!」

「俺達が何をしたって言うんだ!」

「だから言ったんだ龍は危険だって」

と口々に言ったと言う。


龍神は閃皇龍の策を聞き、考え込むようにしながら言う。

【……うぅむ……その策では……】

考え込む姿を見て、閃皇龍は決断させるために何かを言い出す前に続けて言う。

【これ以外に何か策がありますか!?この方法なら……恐らく】

と言う、他の五大龍皇も無言という名の肯定を示す。

【我は、何も失いたく…………】

“無い”そう言いかけて自分の言っていることの矛盾に気づく龍神。

(何も失いたくない?……何を言っているんだ自分は?もう既に人間を、龍(どうぞく)を何人、いや何匹失った?……シャインレイの策以外に何か……無いだろう。この策を行わなければ、おそらく今の何十倍、何百倍あるいはそれ以上を失うかもしれない……いや、確実に失う。そのうち関係ない者まで。彼らと我が“我慢”すればいいだけではないか)

と思いながらも許可、決断に踏み切れない。

【お願いです龍神様、五大龍皇にこの谷を世界を救う許可を】

と目を瞑り、顔を上げ顎にある逆鱗を見せながら首を下げる。龍のその行動は土下座かそれ以上に値する。

(我は……失いたく……いや、今拒否することは、地球の滅亡を意味する)

そう思い込み龍神は

【分かった……許可する……邪龍を二度と復活させないようにしろ。……我はその罪を背負い……償いながら生きていこう……そして我は……二度と…このようなことを……起こさせないと…誓おう】

と龍神は涙ぐみながら言う。

「龍神!見ツケタゾ、殺シテヤル」

と邪龍が現れる。龍神は詠唱を始めた五大龍皇の前に立ち…いや飛び、声を出し邪龍に語りかける。

「貴様、名は?」

「名ナド、無イ!……イヤ…何ダ?…我ノ名ハ、フォロボス」

と多重人格いや多重龍格であるように名前を訂正する邪龍。

「フォロボスよ……貴様は過ちを犯した、しかし同時に我らも過ちを犯していたようだ……済まない」

「我ハ間違エテナドイナイ!全テ貴様ラノセイダ!」

と言いながら龍脈を放つ邪龍、龍神は全てかわすことなく受ける。龍神の顔が痛みで歪む。詠唱を続ける五大龍皇を守るために。背後でエネルギーが収束するのを感じる、詠唱の完了だ。力に満ち、金に染まった、閃皇龍が言った、全てを悟ったかのように

「フォロボス…貴様に“永遠”を与える、龍皇最終術式…龍柱終天封印(ドラゴ・フィード・アンチ)“展開”!」

と言う声とともにフォロボスに向かって柱と化した五大龍皇が突き刺さる様にして、体内に入り込む。体内外を問わず柱同士を繋ぐ鎖が現れる。龍柱終天封印(ドラゴ・フィード・アンチ)は邪龍の体、力、心を全てを五大龍皇と共に封じ込めた、四つの柱に全てを割いて。

「ウグゥゥ……僕が何したって言うんですか……」

それがフォロボスのいやホープの最後の言葉だった。龍神は力不足で、五大龍皇を失ってしまったことを悔やみ1人泣いた。


邪龍事件終結後、生き残った人々は責任を擦り付けるために龍神の前に集結した。

「どう責任を取るつもりだ!」

や

「私の家族を返して!」

などと龍神に向かって口々に言っていた。それを受けたのか、覚悟していたのか龍神は飛び上がり

「貴様ら人間の言いたいことはよく分かった。今日、この時を持って人間と我々 龍との関係を無くす。我は牙山の下に、ほかの龍はその裏に門を築きそこにいることにする」

と言った。ほとんどの者はこんな事を起こしたやついなくなって当然だ、と思った。龍脈を失うことも考えずに。


龍との関係を失い、数ヶ月が過ぎたころ、龍の谷の人々は危機に貧していた、龍脈があることによって龍の谷は成り立っていたからだった。人々は非常に自分勝手だった、少し前までいなくなって当然と思っていたものを利益が失われるからという理由で、呼び戻そうなど。人々は龍神の門に集まり、もう1度龍脈を、と懇願した。彼らには龍脈による繁栄しか興味が無かった。


———とある権力者の家

「……なるほど、龍脈のコントロール権を私達の家系に……しかし、何故ですか?“龍神”いや“龍人”様」

と口髭を立派に生やした男性が言う。

「簡単だ、あなただけだろう?龍ヶ崎翔。最後までホープの利用、私の追放に拒否してくれたのだろう?」

「そうですね…あの人たちは少し自己中心的すぎる、我々がまいた災の種を摘んでもらったと言うのに…まぁそのせいで議会から外されましたけどね…ははは」

「頼めるか?」

「もちろんですとも」

「感謝する。では説明させてもらう」

龍人の示したことは

1:龍ヶ崎家に龍神の力を与えること

2:それは遺伝するので男、女を産み次の世代へ伝えること

3:龍の血を継いでいても必ず力が発現するとは限らない

4:男には龍化、龍力の二つの固有能力が、女には龍脈のコントロール権の固有能力が発現する

5:能力はそれぞれ引き継ぐ確率が独立しており引き継ぐ必要のある力は龍神の門を開けられる力でその確率は80%であること

以上5つだった。この日から龍の谷にもまた活気が戻った。


と言う昔話と言うか伝説が今向かっている龍の谷にはあるらしい、と一馬のクラスの先生が言った。

三章序編完結しました、次から本編です。ちなみに設定上雫があまり出てきません。

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