[二章-20:課題《Task》]
———夏休み終盤
「お前にはこの一ヶ月ちょっとの間戦い方を教えたわけだ…どうだった?」
と帰り支度をする一馬にあまりに簡潔な質問をする御剣。
「どうだった…んー…まぁ、ここに来る前より自信がつきました」
「そうか…少し武蔵が来るまで時間があるな。…俺は能力の大小は動物の体の大きさのようなものだと思っている。…遺伝的なものが多くて覆りにくいからな……これだけで力の差が生まれる。戦術は素早さだと思っている。相手の攻撃をかわし自分の攻撃を当てるのには素早さが必要だ。そして今日まで俺がお前に与えてきたいくつかの技術は牙や爪だ。一馬、帰っても爪を研ぎ、素早くなろうとしろ、そうすりゃ、負けない………………多分」
一馬は、御剣の言葉を聞き、爪を軽く眺め
「はい、ありがとうございました!」
とお辞儀する。すると一馬を呼ぶ武蔵先生の声が聞こえてきた。
「よし、行け………もし実力が足りないと思ったらまた来い」
と一馬にギリギリ聞こえるように言う。一馬の心の中はこの日の空のように澄んでいた。
———武蔵先生の車の中
「一馬、どうだった?」
と片手運転したがらこちらを向き尋ねる武蔵先生。
「先生、まず前向いてください」
と一馬は内心、事故るのではとビビりながら落ち着いて言うと武蔵先生は、あぁと言いながら前を向く。
「なんだか少し自信がつきました」
と答える一馬。
「そうか、連れて行った甲斐があったな」
「そういえばどうやって周りの人に俺が師匠の所に行く許可を得たんですか?」
と一馬が尋ねると武蔵先生はふっ、と笑い
「まあ、色々とな……大人になればわかるさ。まぁ必要な出席日数足りてたしな」
と答える。
(……大人になればって…やっぱりこの人多分結構な権力持ってるよな…)
と一馬は考えるも口には出すことはしなかった。
「そうだ一馬、宿題終わったか?」
「……………………………あっ」
と一馬は最初の方だけして、後半 特訓に集中していたので約4割ほど残っていることを思い出した。




