[二章-17:小さな探偵の事件簿 前編]
今回の話はしばらく活躍の機会がないかもしれない、雫がメインです。
———雫のクラス
「おーい、しずくん?今日元気なくない?」
と雫に尋ねてきたのは雫の友人の大木鈴香だ。
「あっ、すず…んちょっとね」
と答える雫。
「おー、雫じゃん、おはー」
と話しかけてきたのはクラスのムードメーカーのお調子者の服部秀弥。彼は広いが浅くはない交友関係の持ち主で彼が遊ぼうと声をかけると人がいっぱい集まることで有名だったりするらしい。それ故いろいろなことをやらかしてきたらしいが。
ガラガラと音がして先生が入って来る。
「よし、朝のホームルームを始めるぞ、みんな席つけ」
と先生が言うと全員それに従い着席する。
「前の小テスト返すぞ」
と先生が言うと
「えー、あれ難しかったよ」
とか
「いらないよあんなの」
などの声が教室中を駆け巡る。それを聞いただろうが聞き入れず返し始める先生。
「うわ!0点だった、ははは」
などひどい点数を自虐する声が聞こえて来る中
「おい、淳也の見てみろよ満点だぞ」
と服部が言うと
おぉーという歓声の後
「さすが、淳也遊ばずに本読んだりばっかしてるだけあるな」
などの声が聞こえてくる。満点を取ったにもかかわらず少し浮かなそうな顔をしている彼、古谷淳也はクラス1の賢さだ。最初の頃はみんなと遊んでいたがクラス上位の成績を出せるようになってからはめっきり遊ばなくなったと言う。
———昼休み
「しずくんー、ご飯食べよ」
と声をかけてくる鈴香。
「私も〜」
と声をかけてきたのは雫の友人の松岡美咲だ。
ん、と言いながら一馬が作っておいた弁当を取り出す雫。
「次、体育だから急がなきゃ」
と美咲が言う。昼食を食べ終え教室から出てそれぞれの更衣室に向かう男子と女子。
雫も着替えを始め制服のボタンをはずし始めた時、
「うりゃー、しずくんー」
と下着姿で抱きついてくる鈴香。
「やめてよ、すず、着替えようよー」
と抱きついてくる鈴香をからだをくねくね動かしながら躱そうとする雫に自然と笑顔が生まれる。
「あっ、しずくっちが笑った」
と美咲が言うと
「やっと笑ったかしずくん、どうだ?ちょっとは元気出たか?」
と鈴香が尋ねる。
「うん、ちょっと元気でたよありがと、すず、みさ」
と微笑みながら答える雫。
「でもさすがに急がないとまずくない?」
と鈴香が言い焦って着替える3人。着替え終わって外に出て急いでグラウンドに向かう最中
「何か割れた音しなかった?」
と美咲が尋ねる。
「聞こえなかったけど?美咲は耳がいいし別の音が混じってそう聞こえたんじゃない?」
と鈴香が言うと そうだね と頷く美咲。
今日の体育は男女合同なのでグラウンドに3クラス程度の人が集まっていた。
「よし、点呼をとる」
と先生が言う。
「……、……、古谷?おい古谷はいないのか?」
と先生が古谷の不在に気づきキョロキョロとする。すると一人倉庫の方からグラウンドへ向かって走ってくる人が一人。
「遅れてすみません、ちょっと……トイレに」
と謝る古谷。
「まぁいい、よし、じゃ次」
と点呼が終わり授業が始まる。
———授業終了
授業では ドッジボールをした。
「一個だけボールに傷がなんかたくさん入っていたんだが心当たりあるやついるか?」
と先生が尋ねる。誰も心当たりのある人はいないようだった。
「まあ、いい心当たりのあるやつは後でもいいからこいよ。では授業を終わる、礼」
と言って授業が終わる。
「いや〜、疲れたね、しずくん、美咲」
と鈴香が言い、二人もそれに頷く。
着替えてクラスに戻ってくると入口がざわざわしていた。
「どうしたの?」
と鈴香が尋ねると
「服部くんが窓を割ったらしいんだよ」
と言う答えが返ってきた。




