[二章-16:地獄の特訓2日目朝]
———片撃の練習を始めて数十分後
「…人差し指と中指に力を入れて…はっ!」
と練習する一馬。
「よーし、それぐらいにしておけ」
と御剣が言う。
「なぜですか?今、やっとコツが掴めてきたんです」
と一馬が尋ねると
「片撃は手に、特に人差し指と中指にかなり大きな負荷をかける技だ。だから連発しすぎるとしばらく指が使い物にならなくなる。さぁもう寝ろ、明日も特訓あるしな」
と御剣が答える。一馬はおとなしくそれに従い練習の間にしかれていたと思われる布団に入る。
———翌日
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「朝からうるさいぞ、どうした?筋肉痛か?」
「その通りです。体が…、いでぇ!」
「よーし、今日も昨日と同じでランニングからだ」
と一馬の言葉を聞いていないかのように話を進める御剣。
「まじですか?」
と思わず一馬は尋ねる。
「当たり前だろ、お前は何のためにここに来た?」
と一馬自身も予想していた答えを聞き、激痛の走る体を無理矢理動かしランニングを始める。ランニング中は昨日と違い悲鳴が鳴り響いていた。
———1時間15分後
「よーし、そこまで」
と御剣が言うのを聞いて崩れ落ちる一馬。
「…はぁはぁ……死ぬかと思った」
「しばらく休んだら片守の練習だ」
と本当に死んでしまいそうな一馬を無視して話を続ける御剣。
———所変わって雫サイド1日目
朝起きた雫はいつもと違う朝を過ごしていた。行動はいつもと変わらない、だが兄、一馬がいない。一馬の作っておいて置かれた朝食を一人で寂しそうに食べる雫。
「…にぃ…」
と寂しさのあまり無意識に一馬を求めてしまっていた。全ての用意がようやく終わった頃インターホンが鳴る。
「…はい?」
と不安げに答える雫。
「おーい、雫ちゃん?学校いきましょ」
とひなが呼びかける。雫はひなが来ることなど完全に忘れていたので驚きながらも用意を持って家を出る。
「雫ちゃん、おはよう」
と笑顔で話しかけるひな
「…ん」
とひなとは対照的に暗い顔の雫。二人は歩き始める。数分歩いた頃、雫は急に口を開き
「にぃ、私いらないのかな」
と言葉を発する。それを聞いたひなは
「そんなことはないわよ!多分だけど、一馬は雫ちゃんを守れるように強くなりに行ったのよ」
といつもより強い口調で言った。本人もそれに気づいたようにあっ!と言う言葉が聞こえて来そうな顔をした。
「…でも、それなら私も付いていきたい」
「そうしたら、一馬は能力強化共有に頼っちゃう…だからこそ雫ちゃんを残して行ったんじゃないかな?」
とひなが言うと少し納得したような様子で雫が頷く。
「さて、到着よ」
とひなが言う。




