[二章-12:地獄の特訓1日目 朝]
———朝8時半頃
一馬の体もほぼ完璧に動くようになりこれから特訓が始まる。
「よーし、早速今日から地獄の特訓といこうじゃあないか」
と御剣が言う。
「わかりました、まず何からしますか?」
「まぁ、まずは話を聞け。能力の強さは能力値に強く左右されやすいのは知っているだろう?能力値はなかなか鍛えにくい…が能力を持久して使うために必要なのはスタミナだ。と言うことで今からとりあえず俺がいいって言うまで山の登り下りを繰り返せ」
と御剣が言ったので、
「嘘でしょ、山を登り下りって言ったって車で数十分ですよ!?」
と一馬は驚きながら尋ねる。
「距離じゃなくて時間制だからそこんところは気にするな」
と御剣は一馬の言葉を適当に流す。
「うぅ、もつかな?」
と心配そうに一馬が言うと
「もつかな?じゃないもたせるんだ。……よーし、じゃ行ってこい」
御剣は強制的に一馬を走らせ始める。
———1時間28分後
「よーし、そこまで」
と御剣が言ったと同時に
「ゔぁぁぁ、ひゅゅゅう、ばはぁぁぁぁ」
と先ほどまでなんとか制御していた呼吸が乱れる。
「今ので、10キロとちょっとぐらいだな……もう少し早く走れるな」
「……殺す気…はぁはぁ…ですか?…」
と文字通り、絞り出した言葉で一馬は尋ねる。
「いやいや、今のぐらいの距離で1時間10分を目標に夏休み頑張ろうな」
「はぁぁぁぁぁぁぁ」
と走り終えた達成感よりもこの後に待っている辛さを理解し呼吸が崩れる一馬。竹皮の塊が一馬の元へ飛んでくる。中身はおにぎり二つだ。
「落ち着いたらそれ食え。昼からは戦闘技術を叩き込む」
と御剣が言う。一馬は疲れ果てて昼の訓練どころか目の前のおにぎりすら食べられそうにない……と言うか食べられてもすぐにでてくるだけなので食べても意味がないのだ。
「おい、その程度でくたばってたら闘技会なんて勝てるわけもないぞ、一馬」
と御剣が言う。その言葉を聞いた一馬は二つのおにぎりを無理矢理押し込み。
「…もちゃ、もちゃ……ごく…よっしゃあ、昼の訓練お願いします!」
と威勢良く言う。




