[二章-3:力の差《Difference》]
一馬は煜が気に入らなかった。あの人を見下す舐め腐った態度、戦っているのにも関わらず髪型、服装に気を配る姿が一馬の本能が嫌がっている。
(あいつには一発かまさねーと俺の気がすまない)
今度は輝く刀で切りかかってくる煜。黒い刀で間一髪防ぐも衝撃で数歩後退する一馬。もう一発くる、能力防御壁でコンマ数秒時間を稼ぎなんとか防ぐ一馬。一馬は後ろに下がり間合いを取り直す。実力差は明確で防戦一方の試合運び、客観的だけでなく対戦中の2人の主観的に見ても一馬が負けると考える状況。煜は先ほどよりも速く移動して攻撃、一馬は後ろへと吹き飛ばされる。黒い刀を突き立て後ろへ下がる距離を短くする。後ろへ下がる力が収まり煜への失われていた少しの集中力を取り戻した
刹那
一馬は煜の打ち上げの剣撃をもろに浴び空中に打ち上げられる。さすがに一馬もすぐには立ち上がれず9カウント目で立ち上がった。
「棄権しないか?」
と尋ねる煜。一馬は大きく首を横に振る。
「なんで棄権しないんだい?」
と煜が言うと準備していた言葉のようにして
「てめーが気に入らないからだ。絶対、一発おみまいしてやるからな」
と聞かれてすぐに答える一馬。
「そうか、一発受ければ早く終わるのか。……いや、もっと早い方法があった」
とわざと聞こえる声で呟く煜。
煜は少し考えるようにして
「………立ち上がれないようにしてくれる」
と一言。一馬はその言葉を聞き身構える。
「熾天使の翼」




