[二章-2:予行練習《Rehearsal》]
———翌日
「今日の放課後から体育祭の大会や各種種目の一学期予行練習がある。感覚を掴んでおきたい人は行っておけよ」
と先生。優能力者学園では闘技会の一学期予行練習は今日ある。一馬は行って少しでも自信を得られる事はないだろうが、自分の現在地を知ろうと考えた。すると
「一馬、今日の予行練習行くのか?」
と響也が尋ねてくる。あぁとあまり感情の入っていない言葉を返す一馬。彼の頭はもうすでに闘技会の予行練習のことで埋め尽くされていた。そのせいでこの日の授業を一馬はほとんど聞いていなかった。
———放課後
『続いて、プラクティスマッチAフィールド第3組1-1斉藤一馬くん対1-6光永煜くん。5分後試合開始です、準備をしてAフィールドへ来てください』
と本番を意識した放送が流れてくる。一馬は少し早足にAフィールドへと向かう。そこにいたのは気障ったらしく整えた髪型に、シワ1つすらない、綺麗に整った能力実技用服を着た男が立っている、彼がプラクティスマッチの対戦相手の煜だ。彼は一馬を見るや否や
「君、棄権してくれないか?そうしたら君は怪我しないし、僕は別の人とやりあえる。どうだい?」
と提案してくる。一馬の顔に
隠しきれない不機嫌さが現れる。一馬は全力で平常心を装いながら
「遠慮しとく…棄権したら俺が今日ここに来た意味ないし」
と答える。当然だ、もし棄権すれば二学期に片手で数えられるほどしかないプラクティスマッチしかないのだから。すると煜は
「はぁ、まぁいい実力差を思い知らさせてあげよう」
と言いながらフィールド上に足を乗せる。一馬もそれを見て、フィールド上に乗る。すると
『それではAフィールド、プラクティスマッチ開始』
とアナウンスが聞こえてくる。一馬は黒い刀を作り出す、例によって刃の部分はない。煜も右手を刀の柄を掴むようにした。すると彼の右手が光り出し輝く刀が生み出される。彼はその刀の切先を地面に沿わせながら刀を振る。すると地面にできた傷を延長しながら光り輝くエネルギーが一馬めがけて接近する。一馬は苦し紛れに能力防御壁を展開するも防げるはずもなくほぼ直で浴びたのと変わらないであろう衝撃を受け8〜10メートルほど転がる。
「痛ってえー、まだまだ始まったばかりだ」
と言いながらものの数秒で立ち上がる一馬。煜は一馬を軽蔑するような目で見下げ、
「時間の無駄だ、早く棄権してくれ」
と言いながらまた切先を地面に沿わせ振る。
一馬はそれを間一髪で躱すも、
横腹に衝撃
受ける準備が整っていなかった一馬は数メートル飛ばされる。しかしものの数秒で立ち上がり煜を睨みつける。




