[一章-23:失われた自信と残された不安]
———試験初日終了
初日の試験は、
一時限目 国B
二時限目 英語I
であった。残りの教科は、数A、化学、能力実技II、能力学IIとなる。
他の国A、数I、英語A、現社、生物、能力実技I、能力学Iは全て到達度試験で行われているので今回は試験がない。
「よぉーし、何とかなったぞ」
と一馬が伸びをしながら呟く。体を戻すと目の前に響也と宇佐美がいた。
『テスト大丈夫だった?』
と2人揃って尋ねる。朝からずっと聞かれていたことだ、
「大丈夫だよ、どんだけ心配なんだよ」
と朝のデジャブのような状況にツッコミを入れる一馬。
「だって、主催者不在のイベントなんて面白くないじゃない」
と宇佐美。それに同調するように頷く響也。
「アー、ソウダネ、シンパイダ〜 (棒)」
と諦めて、思ってもいないことを口にする一馬。
(一応、俺的にはできてたんだけどな……)
そんな思いは口に出せぬまま一馬は帰りの支度を始める。と、いつも通り太樹達がやってくる。
(こいつらは大丈夫?って尋ねないで欲しいな。精神的に……)
と一馬がこころの中で願うも、
「アニキ!テスト大丈夫でした?」
と完璧且つスピーディなフラグ回収。これに対して、
「ウン、タブン ダイジョウブダヨ〜 (棒)」
先ほどよりも2倍増しほど反応が適当になる一馬。そんな、適当な一馬をよそに試験内容について話し始める響也達。
「宇佐美〜、国Bの問題3の(2)難しくなかった?」
「あーあ、そこはアが答えよ。だって前後の文から他のは違うってわかるじゃないって言っても参考書そのまんまの問題だからわかっただけだけどね」
「じゃ、問題4の(6)の②は?」
「それは……」
とこの会話聞こえているのかいないのかわからないが、そんなこと関係無しに、
(俺ってもしかして出来たって思っていただけで実はヤバイのか…?)
と、どんどん1人で不安になっていく一馬。
試験終了時、持っていた少しの自信を失い、不安だけ残して初日試験は幕を下ろした。




