[一章-10:来客《Visitor》]
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「それなら、何人か集めて勉強会しよーぜ」
一馬が提案する。響也は同意する、渋々宇佐美も受け入れる。
「何人か呼んでおくよ、あのさ、一馬頼みがある!熊谷さんも呼んでくれません?」
響也の予想外の頼みに驚く一馬。なんでなのだろうか。その気持ちは置いておいて
「聞いてみるけど、あいつくるかな?」
と答える。
「熊谷さんってあのクラス最強の?えっ!?一馬どういう関係?」
ひなと一馬が知り合いだと知るとほぼ必ず聞かれる質問。そして幼馴染と聞くと
「えぇ!?そうだったの?」
これまた決まって驚く、一馬はこの反応を、中学の時から受けているので慣れている。
とその時、
「アニキ!飯持ってきました!」
と不意に現れた、太樹達。まあ、持っておかしくない疑問を口にする響也。
「あれ、昨日の…なんで昨日喧嘩しかけた人が舎弟みたいになっているんだ?」
その疑問に答えたのは、一馬では無く太樹だ。
「———って事が昨日会って、闘い方に感動したんです!」
昼ごはんを食べながら会話が進む。
色々あって、勉強会に太樹達も参加することになった。
「そうだ。一馬さんあの、呼んでくれません?」
ん と、応じてスマホを取り出す一馬。誰とは言っていないが誰だか大体検討はつくだろう。
呼び出し音がひなのクラスで鳴る。
電話してきた相手を見て少し嬉しげなひなが電話に出る。
「もしもし、一馬?何の用?」
嬉しいのを悟られないようにあえて素っ気なく話すひな。
「もしもし、なんか嬉しそうだな良いことでもあったのか?」
一馬は若干の変化に気付き聞いてみる。
「いえ、別にで何の用?」
悟られないようにしたはずなのにバレたことに驚きながらも、さらにそれを隠しながらひなは用事をたずねる。
「そうそう、今度みんなで勉強会するらしいんだけど来るか?」
「うーん、日にちによるけれど……一馬だけじゃあ心配だしなるべくいくようにする」
「後半の言葉が気になるけど、了解伝えとくよ、また日にち決まったら連絡する。じゃあ切るよ」
そして電話が終わる。
オッケーだったことを伝えると、何故か小さくガッツポーズする響也
「なんでガッツポーズなんてしてんだ?」
気づかれていないと思っていた響也は
「何見てんだよ〜これはあれだ昨日のお礼が言えるから嬉しくてな」
と答える。本当か?と思う一馬、口にはしないことにした。
昼休みが終わる。
———放課後
「で日付どうするよ?」
と聞きに来る響也。もうすでに一馬の後ろにいる太樹達。一馬は、
「そーだな、とりあえず宇佐美に聞かないと」
と答える。宇佐美のところに行こうとするその時、
ガラガラと扉が開く、
「斉藤一馬くんはいるかな?」
次回 学園長の孫《Grandson》




