[一章-9:試験前《Exam》]
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今日の朝はいつになく賑やかだ。
「そういや、名前聞いてないな」
一馬はずっと思っていた事を口にする。
「俺は、太樹、こいつらは、潤、涼、秀也だ」
太樹は一馬が大将と名付けた男だ。潤は、最初に、涼は二番目に、秀也は最後に気絶させた奴だ。まぁそんなことどうでもいいが。
「なんで、舎弟にしてくれないんですか?俺はアニキのようになりたいんです!まずは、身の回りのお世話からでもさせてください!」
熱意を持って話す太樹、先ほどから話しているのは太樹のみだ。それに従う潤、涼、秀也。彼らは、おそらくあの後、太樹が一馬達との遭遇した時以前の話をして、太樹が感動し、舎弟になりたいと言い出して驚いたであろう。しかし彼らのボスは太樹である。だからボスに従う事を決めたのだろう。なかなか良い手下である。
「はぁ〜、ここまできたら条件付きでみとめたら?一馬より芯が強そうだし」
太樹らの諦めなさを認めひなが妥協案を提案する。しかし、一馬は後半の言葉に反応する。
「おい、俺より芯が強そうってどういうことだ?」
と一馬は言う。
「何よ事実でしょ?」
と話がまとまらないまま学校に着く一同。
「後で行きますんで、アニキ!」
一同は各々の学棟、クラスへと向かう。
———一馬のクラス
ホームルームにて
「———ということだ。明日から学期末試験一週間前だ、計画を立てて勉強するように」
えー と嫌がる生徒の声が教室中に響く。
———学期末試験
優能力学園の試験は、
到達度試験→学期末試験→長期休業と
一、二学期は行われ、
三学期は、
学年末試験のみ行われる。
現代と似ているスタイルだ。
因みに能力者は、若干 普通の人々と違いがある。半分の教科を到達度試験で行い、もう半分は学期末試験で行われる。そして空いた時間に能力学試験、能力実技試験が行われる。なので授業も試験に合わせて教科が偏りがちだ。
学年末試験は両方行われるので能力者にとってはとにかく 長く、苦痛だ。
補習に関わる総合成績に割り振られる割合はだいたい
到達度試験 (学習):到達度試験 (能力):学期末もしくは学年末試験 (学習): (能力):態度
1:2:2:3:1となっている。
因みに一馬の到達度試験の結果は、学習は平均的、能力は最下位だった。学期末ごとに成績が悪いとかなりきつい補習が長期休業中にあるので皆避けようと勉強する。一馬は、このままいくと余裕で補習なので、尚更 学習の方を頑張らなければならない。(つまり能力の方はとうに諦めている)
そこで、学習なら学年トップの宇佐美に教えを請うことにした。何か良い勉強方があると思って、
「なぁ、宇佐美 聞きたいことがあるんだが」
「どうしたの?一馬?」
最近は、宇佐美が聞く一方なので少し驚いてその理由をたずねる。
「どうしたら、宇佐美みたいに勉強出来るようになる?」
すぐに本題に入る、一馬。
「簡単よ、教科書見て、問題解いて、後全部覚えるの」
と割とあっさり答える宇佐美。
しかし、誰もが思うだろう、
"そんな事が出来るなら誰も苦労しない‼︎‼︎"と
しかしそんな事を大声で叫ぶわけにはいかないので
考えをまとめ、能力の存在を思い出し、
「それって、能力ありきの事じゃないですか?」
と叫びたい気持ちを必死に抑えて聞く。
「あっ!確かにそうだったわ、じゃあ、じゃあ、分からないところ教えてあげるよ?雫ちゃんも連れてきて!」
本当に忘れていた様子で話す宇佐美。一馬は雫がメインかと思う。
「なになに?俺も混ぜろよ〜」
響也が混ぜて欲しそうに話しかける。
ちっ と、舌打ちしたのを気付いた者はいなかった。




